物価高が続くなか、「年金だけでは生活が不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方の生活を支える制度のひとつが「年金生活者支援給付金制度」です。
この制度は、収入が一定基準以下の年金受給者に対して、年金に上乗せして給付金が支給されるというもので、2025年度からは基準額が月額5450円(前年度比+140円)に引き上げられました。
ただし、この給付金を受け取るには申請が必要であり、「条件を満たしているのに申請を忘れて給付金を受け取れなかった」というケースも少なくありません。
この記事では、「自分がもらえるのか?」「どのくらいもらえるのか?」「どうやって申請するのか?」をわかりやすく解説します。
1. 「年金生活者支援給付金制度」とは?対象者と給付基準額をチェック!
「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金の収入が一定基準以下の方に対し、年金に上乗せして支給される給付金制度です。
実際の給付額は、「保険料納付済期間」や「被保険者月数」に応じて異なり、年金と同様に個人差があります。
2025年度は物価高騰などを背景に、給付基準額が前年比2.7%引き上げられました。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
【2025年度の給付基準額】
5450円(前年度比+140円)
1.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【2025年度の給付基準額】
障害等級2級:月額5450円(前年度比+140円)
障害等級1級:月額6813円(前年度比+175円)
1.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【2025年度の給付基準額】
5450円(前年度比+140円)
このように、年金生活者支援給付金を受け取るには所得制限が設けられています。
老齢年金生活者支援給付金の所得上限(88万9300円または88万7700円)を月額換算すると、おおよそ月7万4000円以下の収入が目安です。
ただし、支給要件を満たしていても、申請しなければ給付は受け取れません。必ず申請手続きを行いましょう。
2. 年金生活者支援給付金の請求方法
65歳を迎えて新たに年金を請求する方と、すでに年金を受け取っている方では給付金の請求方法が異なります。
2.1 新たに年金を請求する方
老齢基礎年金の受給を開始する場合は、新規に請求する必要があります。この場合、年金の請求書と年金生活者支援給付金の請求書が同封されます。
65歳になる3ヵ月前に給付金請求書が入った封筒が届くので、必要事項を記入して返送しましょう。
2.2 すでに年金を受け取っている場合
すでに年金を受け取っている方で、新たに支給要件を満たす場合は、毎年9月頃に「年金生活者支援給付金請求書」が郵送されます。
なお、年金生活者支援給付金を受け取っている方で、引き続き支給要件を満たしている場合は、翌年以降の手続きは原則として不要です。
最後に、厚生年金と国民年金の平均月額も確認しておきましょう。
3. 【厚生年金・国民年金】平均月額と受給額ごとの受給権者数
厚生年金と国民年金の平均月額は以下のとおりです。
3.1 〈全体〉
- 厚生年金:14万6429円
- 国民年金:5万7584円
3.2 〈男性〉
- 厚生年金:16万6606円
- 国民年金:5万9965円
3.3 〈女性〉
- 厚生年金:10万7200円
- 国民年金:5万5777円
なお、上記の厚生年金額には、国民年金部分も含みます。
4. まとめにかえて
年金生活者支援給付金は、年金収入が一定基準以下の方に対して毎月給付される制度であり、2025年度は物価上昇を反映し、給付額が引き上げられました。
ただし、申請が必要となるため、対象となる方は忘れずに手続きを行う必要があります。
また、年金額は収入や加入期間に応じて異なるため、年金振込通知書などで確認しましょう。



