百貨店外商やハイクラスのクレジットカード、宇宙旅行のような高額な旅行プランなど、富裕層向けのサービスは多様化しています。こうした富裕層向けビジネスが増え始めている理由として、富裕層のニーズの拡大のほか、富裕層の数の増加が考えられます。

富裕層がこれほど増えている理由はなんでしょうか。また、私たちが富裕層に近づくためには、どのような工夫をすればよいのでしょうか。この記事では、富裕層が増えている理由や富裕層を目指すためのコツを解説します。

1. 富裕層の割合は確実に増えている

株式会社野村総合研究所の調査によれば、2023年時点の日本の富裕層・超富裕層は、調査開始年である2005年以降で最多となっています。この調査では、富裕層を「資産1億円以上5億円未満」超富裕層を「資産5億円以上」と定義しています。

2023年の預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を除いた「純金融資産」を、各層ごとに見てみましょう。

超富裕層

  • 純金融資産:135兆円
  • 世帯数:12万世帯

富裕層

  • 純金融資産:334兆円
  • 世帯数:154万世帯

準富裕層

  • 純金融資産:333兆円
  • 世帯数:404万世帯

アッパーマス層

  • 純金融資産:282兆円
  • 世帯数:577万世帯

マス層

  • 純金融資産:711兆円
  • 世帯数:4425万世帯

富裕層は約154万世帯で、前回調査から約14万世帯の増加です。超富裕層は約12万世帯で、前回調査から約3万世帯が増えており、初めて10万世帯を超えました。

資産額も見てみると、富裕層は334兆円、超富裕層は135兆円となっています。1世帯あたりの資産は富裕層が2億1700万円、超富裕層が11億2500万円です。

一方、アッパーマス層の減少も目立ちます。アッパーマス層は資産が3000万円以上5000万円未満の世帯です。2021年は約726万世帯でしたが、2023年には約577万世帯にまで減少しています。こうした人たちの資産が次第に増え、いつの間にか富裕層になっていったことも読み取れるでしょう。

では、富裕層・超富裕層はなぜこれだけ資産を増やし続けているのでしょうか。次章で理由を解説します。