現在、生活保護受給者には生活扶助が「月1000円」加算されています。また、2025年10月からは、物価上昇による特例加算としてさらに「月500」が加算されることが決定しています。

生活保護は、世帯の全員が収入や資産、その他のあらゆるものを活用しても、国が定める最低生活費に満たない場合に、その生活を保障し、自立を支援するための公的扶助制度です。

本記事では、生活保護の基本的なしくみと、2025年10月から予定されている増額の詳細について解説します。

1. 【生活保護】申請件数は前年同月比3.6%増加…被保護世帯の約半数が単身高齢世帯

生活保護の申請件数が増えています。

2025年5月7日、厚生労働省より生活保護の被保護者調査の最新結果が公表されました。

これによると、2025年2月分の生活保護の被保護実人員数・世帯数はいずれにおいても前年同月・前月と比べて減少(保護停止中を含む)。一方で、申請件数は前年同月比で3.6%増えています。

また、生活保護を開始した世帯数も前年同月・前月と比べて増加しています。

調査時点における生活保護世帯の内訳を見ると、高齢者世帯が54.8%を占めており、内、単身世帯は51.1%と、高齢単身世帯の生活保護世帯が多いことがわかります。

さて、「生活保護」といっても、そのしくみを詳しく知る機会は多くありません。次章では、生活保護という制度についての理解を深めていきましょう。