資産運用を活用して、老後に向けた資産づくりに興味を持たれる方が増えています。
「老後資金は、何歳までに、いくらくらい準備すればよいのか?」と考える際、老後に公的年金をどのくらい受け取れるかは大切な情報となるでしょう。
ファイナンシャルアドバイザーの筆者が日ごろお客様とお話をする中で、年金の話題は非常によくあがります。
公的年金は私たちの老後の暮らしとは切り離せない制度ですが、そのしくみは分かりにくい部分も結構多いですよね。
2025年の年金額は前年より1.9%の引き上げとなり、6月に支給される「4月分」から増額されます。3年連続のプラス改定となった点は一見喜ばしいことですが、実は「目減り」となっていることをご存じでしょうか?
この記事では、今回の年金額改定について触れた後、今のシニア世代が実際にどの程度年金を受け取れているかを「早見表」付きで見ていきます。
1. 【4月分から年金増額】厚生年金・国民年金《2025年度の公的年金 1.9%引き上げへ》
公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに見直しがおこなわれるルールです。2025年度(令和7年度)の年金額は、前年度より1.9%引き上げられることが決まっています。
3年連続のプラス改定にはなりましたが、「マクロ経済スライド(※)」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。物価上昇に年金額が追い付けていないのです。
また上記はあくまでも「年金例」に過ぎません。実際の受給額は現役時代の年金加入状況により個人差があります。次では今のシニア世代が実際にどの程度年金を受け取れているかを見てみましょう。
※マクロ経済スライドとは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもの