2. 【70歳代の貯蓄事情】平均貯蓄額(平均値・中央値)はいくら?
続いて、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を基に、70歳代の貯蓄状況も確認していきます。
上記調査によると、70歳代の平均貯蓄額(平均値および中央値)は以下のとおりです。
- 70歳代・単身世帯:平均値1634万円 中央値475万円
- 70歳代・二人以上世帯:平均値1923万円 中央値800万円
70歳代の平均貯蓄額と中央値を60歳代と比較しても、大きな差は見られず、中央値は60歳代と同じく1000万円未満となっています。
70歳代では、リタイア世帯が多いため、現役時代より収入が減少し、その分貯蓄を取り崩している世帯が多いことが、貯蓄額に大きな変動がない要因だと考えられます。
次に、70歳代の貯蓄状況を確認していきましょう。
2.1 70歳代で「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯は何%?
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、70歳代の単身世帯・二人以上世帯の貯蓄割合は下記のとおりです。
【70歳代・単身世帯の貯蓄割合】
- 金融資産非保有:27.0%
- 100万円未満:5.1%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:5.9%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.7%
- 2000~3000万円未満:6.1%
- 3000万円以上:15.9%
- 無回答:2.4%
【70歳代・二人以上世帯の貯蓄割合】
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
70歳代で、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯の割合は、「単身世帯で15.9%」、「二人以上世帯で19.0%」でした。
なお、70歳代の「金融資産非保有割合」は、単身世帯で27.0%、二人以上世帯で20.8%となっており、60歳代と同様に貯蓄状況に大きな差が見られることがわかります。
上記の結果から、シニア世代の貯蓄状況に触れて不安を感じた方もいるかもしれませんが、必ずしもすべての世帯が2000万円や3000万円の貯蓄を持つ必要があるわけではありません。
次章では、老後に必要な資金について具体的に考察していきます。