3. 【時効は5年】実は…老後の年金は「申請しないと受け取れないお金」だった?
公的年金の受給には、年金請求書の提出が必要です。65歳になると自然に老齢年金が振り込まれるわけではありません。
年金受給開始のタイミングに先立ち日本年金機構から届く「年金請求書」を記載し、添付資料ととも提出する必要があります。
住所変更などが原因で年金請求書が届かなかった、年金請求書は届いていたが提出を忘れていた、などで年金の請求が遅れてしまった場合でも、さかのぼって年金を受給することが可能です。
ただし、年金には「5年の時効」がある点には注意が必要です。年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年経過すると時効消滅となります。
やむ得ない事情がある場合は、書面で申し立てをおこなうことで年金を受け取れることがあります。まずは年金事務所に相談してみましょう。
4. まとめにかえて
今回は年金制度と実際に受け取っている世帯の実態について詳しく見てきました。年金額は引き上げられたものの、収支状況は赤字となっているようです。
また、今回ご紹介したデータでは介護費用が含まれていなかったり、持ち家前提だったりしています。
平均を見ればある程度の全体像はイメージができますが、それを全て信じるのではなくご自身の将来設計と相違している部分はないか精査することも大切です。
毎月の不足額は数万円でも、その期間が長くなれば大きな金額となってしまいます。
老後を迎えてから焦らないためにも、今のうちから老後資金作りについて考えられてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金の請求手続き」
- 日本年金機構「年金の時効」
大山 直孝