「年金生活者支援給付金」という制度をご存じでしょうか。年金受給額が少なく、一定の要件を満たす人を対象にした給付金制度を指します。
最近は食料品や日用品の値上がりが大きく、日々の暮らしが圧迫されている方も多いのではないでしょうか。
現役世代であれば、転職や副業などで得られる収入を増やせる可能性があるかと思いますが、すでに老後生活を送っている方が現役世代の方と同じように収入を増やすのは難しいのかもしれません。
収入を増やしにくいことに加えて年金受給額が少ないとなると、さらに大きな不安を感じてしまうかもしれませんね。
今回は、年金生活者支援給付金に焦点を当てて、給付基準額や対象となるための条件、申請方法などを確認していきたいと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、年金やその他の収入が一定の基準を下回る高齢者に対して、追加で支給される制度です。
この給付金は2019年10月1日に導入されたもので、消費税増税分がその財源として活用されています。
年金生活者支援給付金には、以下の3つの種類が存在します。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
次章では、各年金生活者支援給付金を受け取るための要件について、さらに詳しく説明します。
2. 「年金生活者支援給付金」の要件を確認
給付金を受け取るための条件について、まずは「老齢年金生活者支援給付金」の要件から確認していきましょう。
2.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件は?
- 「老齢基礎年金」を受給中の65歳以上の方
- 支給対象者の、同一世帯の全ての方が市町村民税非課税
- 前年の公的年金などの収入と、その他の所得の合計額が以下の支給要件に該当する
※支給要件において、前年の公的年金の収入に、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。
1956年4月1日以前生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
- 老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下
1956年4月2日以後生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
- 老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下
2.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件は?
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
2.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件は?
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額
なお、2025年度の年金生活者支援給付金の給付基準額は前年度よりも引き上げられ、実際には6月の支給日から新しい額が適用される予定です。