「貯蓄しなければ」「貯蓄をふやしたい」と思っても、何から手をつけていいか、どんな方法があるのかわからないという場合も多いのではないでしょうか。そこで、貯蓄とは何か、そのために何を始めればいいのかをまとめてみました。貯蓄に苦手意識がある人は、ぜひ参考にしてください。
「貯金」と「貯蓄」は同じじゃない!?
貯金と貯蓄の違いを聞かれて、パッと答えられる人はそう多くないのではないでしょうか。普段は何気なく使っているかもしれませんが、異なる意味を持っています。
貯金とは
「貯金」とは、厳密には「ゆうちょ銀行に預けたお金」のことです。その他の銀行などに預けたお金は「預金」で、両者を合わせて「預貯金」と言います。日常生活では預金と貯金の使い分けはあいまいな場合が多いようです。
貯蓄とは
「貯蓄」に含まれるのは預貯金だけではありません。その他にも以下のような金融商品が含まれます。また、4. の有価証券には、株式、株式投資信託、貸付信託、金銭信託、債券、公社債投資信託が含まれます。
- 通貨性預貯金
- 定期性預貯金
- 生命保険など
- 有価証券
有価証券は価値が変動することがあります。つまり、将来的に価値が増す可能性も、減る可能性もある資産です。貯蓄というと何となく増えていくものというイメージもありますが、その中身を知ると必ずしもそうではないことがわかります。
貯蓄の第一歩は貯まらない生活から脱けだすこと
このように、貯蓄にはリスク資産と呼ばれる有価証券なども含まれていますが、有価証券への投資にもお金が必要です。そこで、まずは預貯金(以下、便宜上「貯金」とします)をふやすことから考えてみましょう。
お金を貯めることの大敵は無駄遣いです。”そんなの当たり前”と思われるかもしれませんが、以外と無意識に無駄遣いの多い生活をしていることがあるかもしれません。無駄遣いが多い人の典型的な行動パターンを以下に挙げましたので、心当たりがある人は改善法を試してみてください。
買う物を決めずに買い物に行く
買う物を決めないで買い物に行くと、ついつい余分なものを買ってしまいがち。たとえば食料品の買い物でも、具体的に買う物を決めてメモしておけば、必要な品物だけをカゴに入れてレジに直行できるので、不要な物に目移りしないでしょう。
「買えばいいや」と考えるクセがある
「なくなったら買えばいい」「壊れたら買えばいい」という考え方では、お金が減っていくばかりか、物を大事に扱う心も失ってしまいます。また、何かがない場合は他の物で代用できるケースも多いのですが、それをしないでお金で物事を解決するクセがついてしまうと厄介です。買わずに済ませる方法を考えてみるところから始めてはいかがでしょうか。
太りやすい生活スタイルをしている
しょっちゅう間食をする、自動販売機でジュースを買う、近場に行くときでもタクシーを使う…。これらは肥満を助長しかねない習慣です。こんな生活をしていると食費や交通費が余分にかかるうえに、肥満が原因で病気になったら医療費までかかってしまいます。
「間食をしない」「お茶を水筒で持参する」「歩ける距離は歩く」などの健康的な生活スタイルにすれば、少しずつ節約もできるようになって一石二鳥です。
予算を決めずに何となくお金を使う
毎日何も考えずにお金を使っていませんか。コンビニやスーパーで食べたい物を漫然と買って生活する日々を送っていると、何が無駄だったのか、本当に必要な費用はいくらだったのかということすらわからなくなってしまいます。
たとえば「1週間で1万円しか使わない」と決めておけば、「昨日飲みに行って3000円使ったから、残り6日を7000円で過ごさなければ」というように自制することもできるので、無駄な出費を防いで貯金に回すことができるでしょう。
プロから学ぶ「お金を貯め・ふやす方法」
最後に、銀行や証券会社などの金融機関勤めの人に聞いた貯蓄術を紹介します。日頃からお金を扱っているプロが実践している方法なので、参考にしてみてください。
1. 収入の何割かはすぐに貯金用の口座に移す
給料日になったら給与受取口座から貯金用の口座に一定額を自動的に振り込むよう「振込予約」を設定しておきます。
こうすれば、放っておいても貯金用の口座にお金が貯まっていきます。
2. 積立定期預金を利用する
毎月一定額が自動的に口座から引き落とされて、積立定期預金に振替をしてくれるシステムを利用します。積立定期預金を利用すればよっぽどのことがない限りお金を引き出そうとは思わないので、確実に貯金ができます。
3. 貯金と同時に投資もする
上記1.の自動振込で貯金用の口座にお金を貯めるのに加え、毎月一定金額で投資信託を購入するという合わせ技もあります。自分が出せる範囲の額で毎月少しずつ投資信託を購入することで、リスク分散をしながら投資をすることができます。その際には「つみたてNISA」など節税効果のある仕組みを活用するといいでしょう。
参考:将来のお金のために~投資を積立で始めるときに役立つ仕組み
まとめ
貯蓄を増やすには、まずは無駄遣いを減らして貯金に回せるお金を増やすことが大切です。そのうえで、余剰資金を投資信託や株式といった有価証券に投資するという選択もあります。お金に不安があっても何もしなければ、その不安は解消しません。まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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LIMO編集部