就職活動をしている大学生にとって、企業を深く知るために重要な機会となるのが、インターンシップ。

しかし、その形式や内容は様々で、実際の職場で働くものから仕事体験のようなグループワーク、さらには説明会と変わらないようなものもあります。

では、学生がインターンシップに求めているのはどのようなインターンシップなのでしょうか?
実際の学生の声をもとに考えていきましょう。

1. 就活生が求める「インターンシップ」とは?

今回は株式会社学情が実施したインターンシップに関する意識調査のデータから、学生のリアルなニーズを探っていきます。

1.1 調査概要

  • 調査期間:2025年5月8日~2025年5月24日
  • 調査機関:株式会社学情
  • 調査対象:スカウト型就職サイト「Re就活キャンパス(※2025年3月1日より、あさがくナビからブランドリニューアル)」へのサイト来訪者
  • 有効回答数:621件
  • 調査方法:Web上でのアンケート調査
    ※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります。

1.2 回答者の98.2%が「就業体験があるインターンシップ」を希望

まず、インターンシップ選びにおいて、就業体験がどれほど重視されているかを見ていきましょう。

「就業体験があるインターンシップに参加したいですか?」という質問に対し、98.2%もの学生が「参加したい」と回答しました。

「参加したくない」と回答している人がわずか1.8%しかいないことからも、単なる企業説明会ではなく、実際に業務を体験できるインターンシップへのニーズが高いことがわかります。

学生が企業や業界への理解を深めるだけでなく、就業体験や企業での交流を通して、自分自身の適性を見極めたいという強い意欲を持っていると言えるでしょう。

私も実際にインターンシップに行ってみたところ、それまで想像で抱いていた印象がガラリと変わったことがあります。

入社後のミスマッチを防ぐためにも、就業体験があるインターンシップが重要なことがわかりますね。

2. 就業体験を伴わない「オープン・カンパニー」も9割が参加意欲

次に、就業体験を伴わないプログラムへの意識を見ていきます。

企業セミナーやグループワークなど、就業体験を伴わないオープン・カンパニーに参加したいですか?2/6

出所:「就業体験があるインターンシップ」に参加を希望する学生が98.2%。「働くイメージを明確にできる」「その仕事が自分に合っているか確認したい」の声 | 株式会社学情

「企業セミナーやグループワークなど、就業体験を伴わないオープン・カンパニーに参加したいですか?」という質問には、90.3%の学生が「参加したい」と回答しました。

こちらも「参加したくない」と答えたのは9.7%に留まっています。

就業体験を最優先としつつも、企業セミナーやグループワークといった情報収集や交流を目的としたオープン・カンパニーにも、学生が非常に高い関心を持っていることがわかります。

インターンシップに参加すると、多くの時間を一つの企業のみに使うことになります。その企業のことについては理解できても、企業分析をおこないたい場合は有効ではありません。そのため、比較的短時間で企業理解を深められるオープン・カンパニーへの参加も希望が多いのだと考えられます。

3. インターンシップもオープン・カンパニーも「リアル(対面)」志向が強い

最近ではオンラインを活用した就活イベントも多くあります。では、就活生は「オンライン」と「リアル」のどちらを求めているのでしょうか。

インターンシップとオープン・カンパニー、それぞれの参加したい形式について見ていきましょう。

3.1 インターンシップはリアルとオンラインの両方を活用

「インターンシップは『リアル』『オンライン』どちらの形式で参加したいですか?」という質問では、「リアルとオンライン両方」が37.0%と最も多く、次いで「どちらかと言えばリアル」が28.2%、「リアル」が27.7%と続きました。

一方で「オンライン」は0.7%、また「どちらかと言えばオンライン」は6.4%でした。

「リアル」・「どちらかといえばリアル」を希望する回答を合計すると55.9%となり、「オンライン」・「どちらかといえばオンライン」を合計した7.1%を大きく上回っています。

このことから、実際に企業を訪問し、職場の雰囲気や社員の様子を肌で感じられる対面形式のインターンシップがより求められていることがわかります。「リアルとオンライン両方」という意見も多いことから、オンラインの利便性を理解しつつも、リアルな体験から得られる価値を重視していると言えるでしょう。

3.2 オープン・カンパニーもリアルが人気

「オープン・カンパニーは『リアル』『オンライン』どちらの形式で参加したいですか?」という質問でも同様に、「リアルとオンライン両方」が34.4%と最も多く、次いで「どちらかと言えばリアル」が22.6%、「リアル」が20.9%と続きました。

オープン・カンパニーでも、「リアル」の割合が高く「リアル(対面)」を希望する回答を合計すると、43.5%となります。「オンライン」が6.2%、「どちらかと言えばオンライン」が15.9%で合計が22.1%となることから、オンライン形式よりも高い割合を示しています。

就業体験がないオープン・カンパニーにおいても、対面での参加を希望する学生が多いことから、学生は企業の説明を聞くだけでなく、担当者と直接対話したり、会場の雰囲気を肌で感じたりする機会を重視していることが見て取れます。

4. インターンシップとは?その定義を再確認

ここまで、就活生が求めるイベントの形式についてみてきました。ここで、インターンシップの定義についておさらいしましょう。

インターンシップには様々な種類がありますが、実は国が定める明確なルールがあります。

重要なことは、インターンシップで得られた学生の情報が、その後の選考に活用される可能性があるものと、そうでないものに分かれることです 。

具体的には、大きく分けて以下の2種類があります。

4.1 就業体験が原則ないもの(オープン・カンパニーやキャリア教育)

これらは正式には「インターンシップ」ではなく、会社や業界の情報を知ったり、簡単な仕事体験をしたりするのが主な目的です 。

基本的には1日で終了するものが多いですが、2, 3日かけておこなう場合もあります。

ただし企業によってはこの形式のイベントを「インターンシップ」と呼んでいる場合もあり、イベントが「オープンカンパニー」なのかどうか確認するには日程や内容などを確認する必要があります。

4.2 就業体験が必須なもの(インターンシップ)

こちらは「インターンシップ」と呼ばれ、実際に仕事を体験することが目的です 。

「期間が5日間以上」などの特定の条件を満たせば、参加学生の情報を採用活動に利用できる場合があります 。

つまり「就業体験があるインターンシップ」は、単なる会社説明会とは異なり、将来の採用選考につながる可能性がある、より実践的なプログラムだと理解しておくと良いでしょう。

その一方で、実態としては就業体験が必須ではない「オープンカンパニー」でも選考の優遇がなされる場合もあり、注意が必要です。

5. まとめ:就活生に選ばれるのは「体験」と「リアルな場」

今回の調査結果から、就活生がインターンシップやオープン・カンパニーに対し、「就業体験」に対して意欲を持ち、対面での体験や社員との交流を重視しているとわかりました。

その一方で、就業体験の有無にかかわらず、多様な形式のプログラムへの参加も積極的におこなおうとしている傾向もうかがえました。

これらは、限られた時間の中で多くの企業を研究し、学生が将来のキャリアを具体的にイメージすることで、企業とのミスマッチを防ぎたいという思いがあるのでしょう。

企業側は、学生に質の高い「就業体験」を提供するとともに、対面での交流機会を設けることで、27卒就活生からの関心を一層高めることができるはずです。

学生の皆さんにとっても、インターンシップやオープン・カンパニーは、企業理解を深めるだけでなく、自身のキャリアプランを考える上で貴重な機会です。

ぜひ、就業体験やリアルな場での社員との交流を重視し、実りある学びを得られるようにしましょう。

参考資料