制度上、退職金がない会社に勤めている人もいると思います。退職金がないと言われると、不安に感じる気持ち、とてもよくわかります。退職金がないという会社の多くは、その分毎月の給料に若干上乗せしていて、月収で言えば同世代よりも多めにもらっているという場合もあるでしょう。その場合は、上乗せ分を必ず貯金するようにしましょう。そこだけは死守してください。
退職金のない職場で働く人は、まず次のことをやっておくとよいでしょう。
- 将来の年金受給額を調べる
- 自分の理想の「老後生活」にかかる1か月あたりのコストを計算する
- iDeCoや財形貯蓄制度を活用する
- 転職活動を視野に入れる
退職金がないということは、自分で老後資金をすべて用意しなければならないということです。退職金を受け取る頃には、働きたくても働けない場合も多いでしょう。もちろん、定年が延びている現代では、退職後に別の企業に再就職したり、雇用形態を変えて継続雇用してもらえたりするケースもありますが、いずれにせよそこから動き出しても遅いですよね。つまり、早めに行動しなければ手遅れになる可能性がほかの人よりも高いということです。
まずは冷静に、将来のプランを描いておきましょう。受け取れる年金額を調べて、自分が思い描く理想の生活とのギャップを知ること。それで自分がいくらくらいお金を用意しておけばいいか、めどが立ちます。また、iDeCoや財形貯蓄のように節税の恩恵を受けることができる制度をフル活用して効率よく老後資金をふやす必要もあります。
また、低金利の時代が続いていますし、貯金だけでは思うようにお金が貯まりません。投資が怖いと感じるのなら、怖いと思わなくなるまで勉強して貯金よりも効率よくお金をふやす方法を模索するのが賢明でしょう。
もし、あなたが若ければ、退職金がある会社に転職してもいいでしょう。ただ、退職金にも受け取れる勤続年数に条件があったりしますので、きちんと考えておかないとキャリアも将来のお金も中途半端になってしまうかもしれないという点には注意してください。
収入の上がる見込みがなく将来が不安な人
収入が上がる見込みがないために将来不安だと感じている人。今の日本では少なくないと思います。昇給のタイミングでも給料が上がらないことも珍しくはありません。こうした場合、他の人よりもお金の使い方、ふやし方に慎重になる必要がありますので、まずは次のようなことをやっておいてはどうでしょうか。
- 副業を検討する
- 転職・キャリアチェンジを視野に入れる
- パートナーと協力してお金を貯める計画を立てる
- 家計・貯金額の見直しを行う
収入が足りないと思うのであれば、副業を検討するのも一つの手です。ただし、副業は自分が何をしたいかというのも大きくかかわってきます。自分のキライな仕事は長く続きません。副業が許可されていない会社では、会社にバレたら服務規程に反することになってしまいます。その場合は転職という手もありますし、勤めている業界自体の収入が低い傾向にあるのならキャリアチェンジを考えてもいいでしょう。
ただそれらの場合には若さが必要となるケースもありますし、管理職として採用されるためにはかなりのスキルと経験が求められてしまいます。それが難しければ、パートナーと協力して効率よく生活し、無駄を省くこと、お金を貯めることが必要となります。1人よりも2人のほうが生活するうえでは節約となります。パートナーと協力して、より効率よくお金を貯める方法を探しましょう。
まとめ
いかがでしたか。貯金が苦手だったり、退職金がなかったりと将来の不安にはさまざまな理由があります。ぼんやりとした不安を抱えたままでいると、取り返しのつかないことになるケースも多いですよね。そうなってから後悔しないように、できるだけ早めに手を打ちましょう。
大塚 ちえ