4月15日は年金支給日です。

年金は偶数月に前2か月分が支払われるため、2月・3月分が4月15日に支払われます。

年金支給カレンダー1/4

年金支給カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」

では、現在のシニア世帯はどのくらい年金を受け取っているのでしょうか。

本記事では、会社員や公務員として勤務経験がある厚生年金受給者で、受給額が「月額20万円以上」の人と「月額10万円未満」の人の割合をそれぞれ紹介します。

現役時代の平均年収別にみた年金受給額も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 厚生年金受給者はいくら年金をもらっているのか

ではさっそく、厚生年金受給者の年金受給額を確認しましょう。

厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。

厚生年金保険:年金月額階級ごとの受給権者数2/4

厚生年金保険:年金月額階級ごとの受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)

年金受給額 割合
月額1万円未満 0.28%
月額1万円以上2万円未満 0.09%
月額2万円以上3万円未満 0.31%
月額3万円以上4万円未満 0.58%
月額4万円以上5万円未満 0.61%
月額5万円以上6万円未満 0.85%
月額6万円以上7万円未満 2.34%
月額7万円以上8万円未満 3.97%
月額8万円以上9万円未満 5.44%
月額9万円以上10万円未満 6.73%
月額10万円以上11万円未満 7.01%
月額11万円以上12万円未満 6.57%
月額12万円以上13万円未満 5.97%
月額13万円以上14万円未満 5.75%
月額14万円以上15万円未満 5.89%
月額15万円以上16万円未満 6.14%
月額16万円以上17万円未満 6.39%
月額17万円以上18万円未満 6.56%
月額18万円以上19万円未満 6.37%
月額19万円以上20万円未満 5.84%
月額20万円以上21万円未満 4.99%
月額21万円以上22万円未満 3.90%
月額22万円以上23万円未満 2.72%
月額23万円以上24万円未満 1.78%
月額24万円以上25万円未満 1.18%
月額25万円以上26万円未満 0.75%
月額26万円以上27万円未満 0.45%
月額27万円以上28万円未満 0.25%
月額28万円以上29万円未満 0.13%
月額29万円以上30万円未満 0.06%
月額30万円以上 0.09%
平均年金月額 14万6429円

上記、厚生年金月額には国民年金(老齢基礎年金)が含まれる

*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている

会社員や公務員経験のある厚生年金受給者のうち、月額20万円以上の年金を受け取る人の割合はわずか16.3%となっています。一方で、受給額が月額10万円未満の人の割合は、21.20%です。

そのため、厚生年金受給者のうち受給額が「月額20万円以上」の人よりも「月額10万円未満」の人のほうが多いことがわかります。

ただし、上記のデータには、60歳代前半で特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分のみ)を受け取る人の数値も含まれています。

年金は定額部分と報酬比例部分で構成されますが、制度改正で定額部分の支給開始年齢が引き上げられたことにより、60歳代前半で報酬比例部分のみを受け取る受給者がいます。

そのため、原則定額部分の受け取りを開始する65歳以降の受給者に限定した場合は、「月額10万円未満」の受給者の割合は少なくなる点に注意が必要です。

2. 現役時代の年収はどのくらい年金受給額に影響するのか

厚生年金は、人によって受給額が大きく異なります。これは、現役時代の平均年収と勤務経験などによって厚生年金の受給額が決まるためです。

では、現役時代の年収はどの程度年金受給額に影響するのでしょうか。以下の条件で、平均年収別に年金受給額(国民年金+厚生年金)をシミュレーションしてみましょう。

  • 1973年生まれ
  • 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
  • 65歳から年金受取を開始

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

平均年収ごとの目安年金受給額3/4

平均年収ごとの目安年金受給額

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成

2.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

平均年収:年金受給額の目安(額面)
200万円:月10万7000円
300万円:月12万7000円
400万円:月14万2000円
500万円:月16万2000円
600万円:月18万1000円
700万円:月19万7000円
800万円:月21万3000円
900万円:月23万4000円

平均年収200万円の人は月10万7000円しか年金を受け取れないのに対して、平均年収900万円の人は月23万4000円も年金をもらえます。

同じ厚生年金受給者でも、受給額の差は月12万7000円です。いかに、現役時代の年収が老後の生活に影響を与えるかがわかるでしょう。

そのため、ゆとりのある老後を送りたい人は、できるだけ現役時代の年収を上げて、長く働くことが重要になります。

3. 老後はどのくらいお金がかかるのか

厚生年金受給者の年金受給額を確認しましたが、そもそも老後はどのくらいお金がかかるのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」によると、2024年における65歳以上の夫婦のみ無職世帯の1か月の平均支出とその内訳は以下のとおりです。

65歳以上世帯の家計収支(無職世帯)4/4

65歳以上世帯の家計収支(無職世帯)

出所:総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」

3.1 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出(月額)

食料:7万6352円
住居:1万6432円
光熱・水道:2万1919円
家具・家事用品:1万2265円
被服及び履物:5590円
保険医療:1万8383円
交通・通信:2万7768円
教育:0円
教養娯楽:2万5377円
その他の消費支出:5万2533円
 ・諸雑費 2万2125円
 ・交際費 2万3888円
 ・仕送り金 1040円
直接税:1万1162円
社会保険料:1万9171円
合計:28万6877円

社会保険料や税金を含めた月の平均支出は、28万6877円です。

そのため、共働き夫婦でどちらも年金を月15万円ずつ受け取れる場合には年金だけで一般的な水準の老後生活を送れます。

一方で、共働き夫婦でも年収が低い場合や片働き夫婦は、年金だけで暮らすのは難しいでしょう。

4. 年金受給額をシミュレーションしよう

老後にかかるお金やもらえる年金は、世帯によって異なります。

そのため、まずは自分の世帯が将来どれくらいの年金を受け取れるのかシミュレーションしてみてください。日本年金機構の「ねんきんネット」を使えば、これまでの記録を基に将来受け取れる年金をシミュレーションできます。

ぜひ、自分の老後をシミュレーションして、今から老後対策を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

苛原 寛