厚生年金は、現役時代の年収や厚生年金保険への加入期間などによって受給額が決まるため、一人ひとり金額が異なります。ほかの人はどのくらい受給しているのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。

老後の生活費は公的年金がメインの方が多く、いくらあれば十分なのかは人それぞれ異なります。しかし、ひとつの目安として「月額20万円あるといいな。」と思っている方もいるでしょう。

では、厚生年金を基礎年金を含めて月額20万円受給している人は、「うらやましい人」なのでしょうか。平均受給額から、実際のところをひも解いていきましょう。

1. 厚生年金月額20万円はうらやましい人?

厚生年金を基礎年金と合わせて月額20万円受給している人は、「うらやましい人」になるのでしょうか。それを判断するには、まず平均受給額を確認する必要があります。

厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は、全体で14万6429円、男性が16万6606円、女性が10万7200円です。なお、これらの金額には基礎年金の分も含まれています。

全体の平均が約14万6000円であることから、月額20万円を受給している人は、平均よりも高額なため、うらやましい人に該当するといえます。特に、女性の平均は約10万7000円なので、月額20万円は2倍近くとなり、かなりうらやましい人といえるでしょう。

1.1 受給額20万円以上もらえるのは16.3%

厚生年金を月額20万円以上もらっている人の割合は、全体の16.3%ほどです。男性は24.0%なので約4人に1人が該当する一方、女性はわずか1.3%という状況です。やはり、月額20万円以上をもらっている人はうらやましい人といえそうです。

では、受給額ごとの該当人数を確認しましょう。

  • 1万円未満:4万4420人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4367人
  • 2万円以上~3万円未満:5万231人
  • 3万円以上~4万円未満:9万2746人
  • 4万円以上~5万円未満:9万8464人
  • 5万円以上~6万円未満:13万6190人
  • 6万円以上~7万円未満:37万5940人
  • 7万円以上~8万円未満:63万7624人
  • 8万円以上~9万円未満:87万3828人
  • 9万円以上~10万円未満:107万9767人
  • 10万円以上~11万円未満:112万6181人
  • 11万円以上~12万円未満:105万4333人
  • 12万円以上~13万円未満:95万7855人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3629人
  • 14万円以上~15万円未満:94万5907人
  • 15万円以上~16万円未満:98万6257人
  • 16万円以上~17万円未満:102万6399人
  • 17万円以上~18万円未満:105万3851人
  • 18万円以上~19万円未満:102万2699人
  • 19万円以上~20万円未満:93万6884人
  • 20万円以上~21万円未満:80万1770人
  • 21万円以上~22万円未満:62万6732人
  • 22万円以上~23万円未満:43万6137人
  • 23万円以上~24万円未満:28万6572人
  • 24万円以上~25万円未満:18万9132人
  • 25万円以上~26万円未満:11万9942人
  • 26万円以上~27万円未満:7万1648人
  • 27万円以上~28万円未満:4万268人
  • 28万円以上~29万円未満:2万1012人
  • 29万円以上~30万円未満:9652人
  • 30万円以上~:1万4292人

「9万円以上〜12万円未満」と「16万円以上〜19万円未満」の2ヵ所にピークがあります。「9万円以上〜12万円未満」は女性の平均受給額と一致することから主に女性が多く分布しており、「16万円以上〜19万円未満」は男性が多く分布しているといえます。