4月はお金まわりで動きが多い時期です。たとえば、年金は4月から改定され、6月受給時からは2025年度の金額で支給されます。また、昇進や昇給で給与額が変わる場合は、厚生年金保険料や健康保険料の負担額が変動する可能性があるでしょう。

2025年4月からは、さまざまなお金が引き上げ・増額されています。支給額が増えるものだけでなく負担が増えるものもあるため、今一度おさらいしておくと今後の生活に役立つでしょう。この記事では、2025年4月から引き上げや増額となるものについて解説します。

1. 年金や社会保険などに関する引き上げ・増額

年金や社会保険などでは、主に以下の引き上げ・増額が実施されます。

  • 基礎年金の受給額アップ
  • 年金生活者支援給付金の給付額引き上げ
  • 育児休業給付金の給付率引き上げ
  • 国民年金保険料の増額

それぞれ、4月からどのように制度が変わるのか見ていきましょう。

1.1 基礎年金の受給額アップ

厚生労働省が公表した2025年度の老齢年金額は、以下のとおりです。

  • 国民年金(月額):6万9308円(対前年度比+1308円)
  • 厚生年金(月額):23万2784円(対前年度比+4412円)
    ※昭和31年4月1日以前生まれの方の国民年金(老齢基礎年金)は、1人分で月額6万9108円。(対前年度比+1300 円)
    ※厚生年金は夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な金額で、男性の平均収入で40年間就業した場合に受け取れる水準。

2025年度の老齢基礎年金は、2024年度から1308円、割合にして1.9%の増額となっており、7万円台が目前となっています。このペースで次年度以降も増額が続けば、受給額が月額7万円台となる可能性は高いでしょう。

一方、年金の増額が1.9%なのに対して、物価の上昇率は2.7%となっているため、年金の価値は実質的に目減りしています。4月からはさまざまな商品の値上げが発表されており、65歳以上の高齢者は引き続き苦しい家計のやりくりを強いられそうです。

なお、障害基礎年金や遺族基礎年金についても、老齢基礎年金と同様に金額が引き上げられる見込みです。