2ヶ月に1度の公的年金支給日が近づいてきました。次の年金支給日は4月15日(火)です。
厚生労働省年金局の最新データによると、令和5年度末現在の老齢年金の平均月額は、国民年金が5万7584円、厚生年金(国民年金を含む)が14万6429円でした。
現役時代の働きぶりが年金額に大きく影響する厚生年金については、平均月額14万6429円を大きく上回る人もいれば、下回る人もいます。
では、平均を上回る「月額15万円以上」を受給する人は、厚生年金受給権者全体の何パーセントくらいいるのでしょうか。
年金を含む所得が少なく、一定の要件を満たす人には基礎年金に上乗せする形で「年金生活者支援給付金」が支給されますので、この制度の支給要件や支給額も確認しておきましょう。
1. 厚生年金の年金額は働き方で大きく異なる?!モデルケースで比較してみる
厚生年金は、会社員や公務員が受け取る年金の1つです。自営業者や専業主婦(主夫)が受け取る年金は基礎年金ですが、厚生年金は基礎年金に上乗せして支給されます。厚生年金は、加入期間や報酬月額に応じて支給されるので、実際に支給される年金額は異なります。
厚生年金の支給額については、厚生労働省が2024年11月5日にさまざまなモデルケースを提示しました。多様なモデルケースごとの支給額について確認しましょう。
1.1 単身世帯のモデルケース
単身世帯における厚生年金のモデルケースは、男性と女性でそれぞれ以下の通りです。
男性
- 16万2483円:男性の平均的な収入(43万9000円)における年金額
- 18万6104円:男性の平均的な収入の1.25倍の収入における年金額
- 13万8862円:男性の平均的な収入の0.75倍の収入における年金額
女性
- 13万2494円:女性の平均的な収入(30.0万円)における年金額
- 14万8617円:女性の平均的な収入の1.25倍における年金額
- 11万6370円:女性の平均的な収入の0.75倍における年金額
単身世帯が受け取る厚生年金のモデルケースは、2024年5月13日に初めて提示されました。多様なライフスタイルに応じたモデルの提示が必要との考えをもとに発表しています。
1.2 夫婦世帯のモデルケース
夫婦世帯のモデルケースは、以下のケースのみ毎年提示されていました。
- 男性:平均的な収入(賞与を含めた平均標準報酬45万5000円)で40年間就業した場合の厚生年金
- 女性:満額の基礎年金
共働き世帯が増加しているため、新たに夫婦2人が働いているケースを、収入区分をより細分化して提示しています。
収入の区分を夫婦ごとに提示して、より細かいモデルケースを発表しています。
1.3 片働き世帯
共働き世帯だけでなく、片働き世帯のモデルケースも下図のとおり細分化しています。
共働き世帯と同じく、収入の区分をより細分化して提示しています。では、実際に厚生年金が月15万円以上支給されている人がどれだけいるのか、確認しましょう。