金融経済教育推進機構(J-FREC)が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」では、年金ではゆとりがないという世帯を対象に、その理由を調査しています。
その理由ランキングでは、物価上昇も少なからず影響していることがわかりました。
実際、4月分の年金から増額されるものの、物価上昇を加味すると実質減額という事態もあります。
シニアの暮らしを支える「年金」にフォーカスをあて、その暮らしぶりを見ていきましょう。
1. 「年金ではゆとりがない」理由ランキング
金融経済教育推進機構(J-FREC)が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとに、「年金ではゆとりがない」の理由ランキングを見ていきましょう。
- 物価上昇等により費用が増えていくとみているから:59.4%
- 年金が支給される金額が切り下げられるとみているから:29.2%
- 年金が支給される年令が引き上げられるとみているから:24.5%
- 高齢者への医療費用の個人負担が増えるとみているから:20.9%
- 高齢者への介護費用の個人負担が増えるとみているから:13.9%
- その他:9.1%
昨今の物価上昇により、身近な日用品や食料品でも買うのを躊躇してしまうことがあります。こうした経験から、年金暮らしになったときの影響が危惧されます。
上記は全年齢の数字ですが、例えば60歳代のみを抜粋すると、63.3%まで上昇しました。
実際に年金暮らしに入る世帯ほど、このあたりの理由が影響するのかもしれません。
なお、「年金の支給年齢の引き上げ」や「支給金額の引き下げ」をあげる世帯は、若いほど多い傾向になりました。