3月で退職し、4月からは年金生活が始まった人もいるでしょう。2025年度の基礎年金受給額は月額6万9308円です。昨年度から1.9%の増額となっていますが、実質的には目減りしているため、年金以外の備えが重要となります。
会社員や公務員が受け取れる厚生年金は、年収が受給額に影響します。
もし20〜60歳までの40年間の平均年収が600万円だった場合、年金受給額はいくらになるのでしょうか。この記事では、平均年収600万円の人の年金受給額を解説します。
1. 公的年金についておさらい
日本の年金制度は、以下の3つの原則で成り立っています。
- 賦課方式による世代間の支え合い
- 国民皆年金
- 国民年金+厚生年金の2階建て
日本の公的年金は、賦課方式と呼ばれる制度を採用しています。賦課方式は、現役世代の納める保険料を年金原資として、受給者である高齢者世代へ給付する仕組みです。
毎年の保険料収入を給付財源とするため、物価や給与水準の変動に対応しやすく、価値が目減りしにくいのが特徴です。ただし、受給者が増えるほど現役世代の保険料負担が増加してしまう難点があります。
また、20歳〜60歳未満の人は、誰もが国民年金に加入します。この仕組みは「国民皆年金」と呼ばれるものです。適切に保険料を納めていれば、誰もが老後に年金を受け取れます。
働いている人はもちろん、学生や専業主婦も国民年金の加入対象です。国民年金の被保険者は、身分によって以下の3つに区分されます。
- 第1号被保険者:自営業や20歳以上の学生など
- 第2号被保険者:会社員・公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者
そして、公的年金は2階建て方式となっているのも特徴です。
1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金です。会社員や公務員などの第2号被保険者は、国民年金だけでなく厚生年金にも加入します。そのため、ほかの人に比べて多くの年金を受給できるのです。
次章では、平均年収600万円の人の年金受給額を解説します。