11月も後半に入り、年末の家計管理が気になる時期になりました。
物価高が続く中、12月15日の年金支給日が近づき、冬の家計を少しでも支える制度として「年金生活者支援給付金」が改めて注目されています。
2025年度は給付基準額が引き上げられ、老齢年金の受給者で条件を満たす場合、2ヵ月分で「1万900円」が上乗せされるケースも。ただし、対象者すべてに自動的に支給されるわけではなく、一定の所得条件に加えて「申請」が必要です。
本記事では、給付金の仕組みや支給要件、受け取りに必要な手続きについて整理し、支給日に確実に受け取るためのポイントを解説します。
1. 「年金生活者支援給付金制度」とは?
「年金生活者支援給付金」は、公的年金を受給している人のうち、所得が一定基準以下の世帯に対して支給される国の給付金制度です。
物価上昇などによって生活が厳しくなっている高齢者を支援する目的で、2019年10月の消費税率引き上げにあわせて創設されました。
この給付金は、公的年金に上乗せして支給される仕組みのため、対象となれば通常の年金振込日に年金と上乗せして受け取れます。
ただし、すべての年金受給者が対象ではありません。給付を受けるには、前年所得や世帯構成などの条件を満たす必要があります。
また、原則として本人による申請が必要であり、申請していない場合は受給資格があっても支給されません。
そのため、該当する可能性がある方は、届いた請求書や案内通知を確認し、早めに手続きを行うことが大切です。
2. 「老齢年金生活者支援給付金」対象者をチェック
年金生活者支援給付金制度には、受け取る年金の種類に応じて次の3つの区分があります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
このうち、最も対象者が多いのが「老齢年金生活者支援給付金」です。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の主な支給要件は以下のとおりです。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
今回の給付金は、年金受給者の生活を支えるうえで大切な支援制度です。要件は複雑に見えますが、「所得」「納付歴」「年金の種類」の3点を押さえれば判断しやすくなります。ご自身が対象かどうか迷う場合は、年金事務所での相談も有効です。受け取れる可能性がある制度は、遠慮せず積極的に活用してください。

