物価高が進む…年金生活に入った「無職夫婦」家計収支は平均でどれほど赤字なのか

4. 年金も物価と連動した調整がかかる

物価高が進むと年金暮らしが厳しくなりますが、年金額自体は毎年改定があります。

厚生労働省によると、2025年度の厚生年金と国民年金は前年度よりも1.9％増加します。

令和7年度の年金額の例

出所：厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円（対前年度比＋1300円）

※厚生年金は「男性の平均的な収入（平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円）」で40年間就業した場合に受け取り始める年金（老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金（満額））の給付水準

ただし、マクロ経済スライド調整がかかることにより、どうしても物価上昇ほどは年金額があがりません。

そのため、実質は目減りになるともいえるでしょう。

続いて平均的な支給額を見ていきます。

厚生労働省「令和5年度　厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の各年齢における平均年金月額は、国民年金のみの受給権者で5万円台、厚生年金（国民年金部分を含む）の受給権者で14万円台～16万円台です。

ただし一人ひとりが実際に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差があります。

60歳～90歳以上の全受給権者の平均年金月額や個人差も見ておきましょう。

【老齢年金世代】国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」

平均年金月額は、国民年金のみを受給する場合は男女ともに5万円台、厚生年金を上乗せで受給する場合は男性16万円台、女性10万円台です。

老後の年金見込み額は、ねんきんネットやねんきん定期便を活用して、世帯単位で把握しておきましょう。