新入社員や新入学生を見かける機会も多い今日この頃。
ファイナンシャルアドバイザーである筆者のもとには、春になると毎年多くの方が資産運用についてのご相談に訪れます。特に多いのが老後資金についてのご相談です。
20歳代、30歳代の若い世代からのご相談も増えています。それだけ将来の暮らしが不安ということの裏返しなのだと考えられます。
さて、年金受給額が少なく一定の要件を満たす人には「年金生活者支援給付金」が支給されるのをご存じでしょうか。
2019年10月にスタートした制度で、対象者が絞られていることもあり、制度そのものを知らない方も少なくありません。そこで今回は、年金生活者支援給付金の対象者、支給額、申請方法について解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金の種類は「老齢・障害・遺族」の3つ
年金生活者支援給付金は、一定の収入や所得基準を下回る方を対象に、公的年金に加えて支給される補足的な給付制度です。
この給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金といった各種年金の種類に応じて、それぞれに対応する支給枠が設けられています。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
1.2 「障害年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
1.3 「遺族年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
前述の条件をすべて満たすと、「年金生活者支援給付金」の受給対象となります。
続いて、2025年度の「年金生活者支援給付金」における支給額の目安を確認していきましょう。