物価の上昇が続いており、家計への負担はますます大きくなっています。公的年金を主な収入源とするシニア世代にも大きな影響を与えており、中には生活が困窮している世帯もあることでしょう。
こうした状況を踏まえ、2025年度は公的年金の支給額が1.9%増額されます。
今回は、公的年金制度の仕組みをおさらいしつつ、2025年度の年金額改定の内容や、それに伴う年金額の目安について解説します。
また、60~90歳代の平均年金月額を1歳刻みでご紹介するので、現代シニアの年金事情を詳しく見ていきましょう。
1. 公的年金制度の仕組みをおさらい
日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する「国民年金」と、会社員や公務員の方が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。
会社員や公務員は、これら2つの年金制度に加入するため、将来的に国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。
また、公的年金に上乗せする形で任意加入できるのが、企業年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった私的年金です。