2025年4月から、フリーランスや自営業者が加入する「国民健康保険料」の上限額が3万円引き上げとなります。
一方、会社員などが加入する健康保険の一つである「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の保険料率は、都道府県ごとに改定され、地域ごとに値上げまたは値下げが決定される仕組みです。
2025年度の改定では、いくつかの都道府県で保険料が値上げまたは値下げされ、これが2025年4月分の給与に影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、協会けんぽの2025年4月分からの健康保険料の変更について詳しく解説します。
1. 「医療保険制度」は3つ!
日本では、すべての国民が公的医療保険に加入することが義務付けられています。
日本の公的医療保険には、以下の3つの制度があり、それぞれに加入することで、医療費の負担を軽減した状態で医療を受けることができます。
- 被用者保険:企業に雇われている会社員が加入
- 国民健康保険:フリーランスや自営業者が加入
- 後期高齢者医療制度:原則として75歳以上の高齢者が加入
「被用者保険」は、会社員が加入する制度で、具体的には協会けんぽ、組合健保、共済組合などがあり、会社員は勤務先によって、これらの保険のいずれかに加入します。
特に、中小企業に勤務する会社員が加入する協会けんぽは、被保険者数が2480万人にのぼり、最も多い規模を誇ります。
次章では、そんな協会けんぽの保険料の計算方法について確認していきましょう。
1.1 健康保険料(協会けんぽ)の計算方法
協会けんぽに加入している多くの人が負担する保険料は、都道府県ごとに異なり、地域の状況に合わせて毎年保険料率が見直され、保険料が変動します。
保険料は、標準報酬月額に都道府県別の保険料率を掛けて計算されます。
たとえば、東京都の保険料率は9.91%で、標準報酬月額が30万円、40歳未満の方の場合、保険料は約2万9730円となります。
また、40歳以上65歳未満の方には、介護保険料(1.59%)が追加され、最終的な保険料は約3万4500円となります。
なお、被用者保険の場合、保険料は事業主と折半されるため、実際には保険料の半分が給与から差し引かれます。
次章では、協会けんぽの保険料率が来年度からどのように変わるのか、都道府県ごとに解説していきます。
2. 【都道府県別】2025年4月納付分から「健康保険料」は上がる?下がる?
続いて、全国健康保険協会「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」を参考に、保険料率が変わる都道府県について紹介していきます。
2.1 2025年4月納付分から「健康保険料」が上がる都道府県
全国健康保険協会「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」によると、2025年4月納付分から「健康保険料」が上がる都道府県は以下のとおりです。
- 北海道
- 青森県
- 宮城県
- 秋田県
- 福島県
- 茨城県
- 栃木県
- 千葉県
- 新潟県
- 富山県
- 長野県
- 岐阜県
- 愛知県
- 三重県
- 滋賀県
- 和歌山県
- 鳥取県
- 島根県
- 岡山県
- 広島県
- 山口県
- 徳島県
- 愛媛県
- 高知県
- 佐賀県
- 長崎県
- 宮崎県
- 鹿児島県
前年度と比較して、全国で最も変動が大きいのは青森県と佐賀県です。
どちらも0.36%の増加が見込まれており、青森県は9.49%から9.85%、佐賀県は10.42%から10.78%に引き上げられる予定です。
2.2 2025年4月納付分から「健康保険料」が下がる都道府県
全国健康保険協会「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」によると、2025年4月納付分から「健康保険料」が下がる都道府県は以下のとおりです。
- 岩手県
- 山形県
- 群馬県
- 埼玉県
- 東京都
- 神奈川県
- 石川県
- 福井県
- 山梨県
- 静岡県
- 京都府
- 大阪府
- 兵庫県
- 奈良県
- 香川県
- 福岡県
- 熊本県
- 沖縄県
前年度と比較して、全国で最も改定率が低下したのは奈良県で、0.2%の減少となり、前年度の10.22%から10.02%に変更されました。
続いて、熊本県が0.18%、福井県が0.13%の減少となっています。
上記の都道府県に住んでいる方の場合は、保険料率が下がることで、実際に負担する保険料額も減少することになるでしょう。
3. 天引きされているお金を確認してみよう
本記事では、協会けんぽの2025年4月分からの健康保険料の変更について詳しく解説していきました。
協会けんぽの保険料率は毎年改定されるため、2025年4月納付分から、手取り額に影響が出る場合があります。
料率の変動はそれほど大きくはないものの、給与が高いと支払う保険料が増え、それに伴って手取り額がより変動しやすくなります。
保険料や税金は自動的に給与から天引きされるため、多くの人はその額を深く確認せずに過ごしがちですが、実際に再確認してみると、思った以上に引かれていることに気づくこともあります。
自身の支出を把握することは、家計を見直すうえで非常に重要です。
給与からの天引きされているお金に対してあまり気にしてこなかった方は、この機会に一度チェックしてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」
- 全国健康保険協会「事業年報(令和4年度)/事業年報概要」
- 全国健康保険協会「令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)」
- 全国健康保険協会「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
和田 直子