1.1 マクロ経済スライド調整がかかる
また、増額とはいっても物価上昇には追いつかず、実質的には年金が目減りとなっている見方もあります。
名目手取り賃金変動率※が+2.3%、マクロ経済スライド調整が-0.4%となり、最終的な年金の引上げ額は1.9%にとどまっているためです。
※2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率に前年の物価変動率と3年度前の可処分所得割合変化率(0.0%)を乗じたもの
物価上昇については、日々の生活の中で実感している方も多いでしょう。
2025年1月に内閣府が公表した「社会意識に関する世論調査」によると、「あなたは、現在の日本の状況について、悪い方向に向かっていると思われるのは、どのような分野についてでしょうか」の問に対し、物価と答えた人が70.8%と飛びぬけて1位でした。
そんな中で思うように年金が上がらないとなると、シニアのお金事情は厳しくなることが予想されます。
次章では、実際に支給された老齢年金の平均月額を年齢別の早見表で見ていきます。