もうすぐ2025年度。
年金や健康保険料、雇用保険などの改定が多くある中、制度の動向から目が離せません。特に注目したいのが「物価と年金」の関係です。
2025年1月に内閣府が公表した世論調査によると、「あなたは、現在の日本の状況について、悪い方向に向かっていると思われるのは、どのような分野についてでしょうか」の問に対し、「物価」と答えた人が70.8%と飛びぬけて1位でした。
そんな中、年金はわずかに増加するものの物価上昇率に負けるため、2025年度から「実質目減り」とされているのです。
年金についてくわしく見ていきましょう。記事の後半では平均の支給額も見ていきます。
1. 【もうすぐ実質減額】厚生年金と国民年金は毎年改定
年金額は毎年改定されます。2025年4月分の年金からは、1.9%の増額が決まっている状況です。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
4月分とはいっても、4月15日支給の年金から変わるわけではありません。年金は後払い方式なので、実際に支給されるのは6月13日なのです。