物価高による生活費の負担や、老後の家計の不安など、お金に関するさまざまな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

内閣府の調査によると、65歳以上の就業者数と就業率はいずれも上昇傾向にあります。

《雇用保険》や《年金》に関係する「シニア向けの手当や給付金」があることをご存じでしょうか。

たとえ支給対象になっていたとしても、【申請しないと受給できない】お金もあるため注意が必要です。

そこで今回は【申請しないと受給できない】《雇用保険》や《年金》に関係する「シニア向けの手当や給付金」を5つご紹介します。

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1. 【申請しないと受給できない】雇用保険関連の「3つのお金」とは?

65歳以降も働き続けるシニアは増加傾向にあります(※)

しかし、シニアの就労を支援する制度が整備されつつある一方で、60歳を境に平均給与は男女ともに下がる傾向にあるのが現状です。

国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、各年齢階級別の平均給与は以下の通りです。

  • 55歳~59歳:男性 712万円・女性 330万円
  • 60歳~64歳:男性 573万円・女性 278万円
  • 65歳~69歳:男性 456万円・女性 222万円
  • 70歳以上:男性 368万円・女性197万円

加えて現役時代のように希望通りの仕事を見つけたり、スムーズに再就職したりすることが難しいケースも少なくないでしょう。

ここでは、働き続けたいシニアを支える雇用保険の手当や給付金を3つ選んでご紹介します。

※内閣府「令和7年版高齢社会白書」における、各年齢階級別でみた就業者の割合 
65~69歳:男性 62.8%・女性 44.7%、70~74歳:男性 43.8%・女性 27.3%、75歳以上:男性 17.3%・女性 8.5%

1.1 「雇用保険関連のお金1」再就職手当(65歳未満)

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再就職手当は、早期の再就職を促すための手当です。

失業後、再就職もしくは事業を始めるまでの期間が短いほど、より多くの手当を受け取ることができます。

再就職手当の支給要件

  • 対象者:雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人
  • 支給要件:対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

再就職手当の給付率

  • 手当の額:就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。(1円未満の端数は切り捨て)
    • 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の60%」
    • 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の70%」

再就職手当の額

再就職手当の額

再就職手当の額

出所:厚生労働省「再就職手当のご案内」

なお、再就職手当を受け取り再就職先で6カ月以上雇用され、かつ再就職先での6カ月間の賃金が離職前の賃金よりも少ない場合は「就業促進定着手当」の対象となります。