株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」によると、富裕層は2021年から2023年にかけて14万世帯も増加していることがわかりました。

長らく続いている物価の上昇により、家計に負担が生じているご家庭がある一方で、なぜ富裕層は増加しているのでしょうか。

株式や投資信託などの資産価値の上昇により、富裕層の保有資産額が増加したことが「富裕層が増えた要因の1つ」とされています。

今回は、元証券会社の富裕層担当 資産運用アドバイザーである筆者の経験をもとに、「富裕層の資産運用の3つの特徴」をご紹介します。

将来に向けて資産運用に取り組みたいと考えている方は、ぜひ参考にご覧ください。

1. 【富裕層】日本にどれくらいいる?

まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。

1.1 純金融資産の計算式

【写真1枚目/全5枚】純金融資産の計算式は知っておこう。2枚目以降では富裕層の分布図なども紹介1/5

計算機とお金の写真

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世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。

純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)

この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。

1.2 マーケットの分類(世帯の純金融資産保有額)をチェック

超富裕層(5億円以上)

  • 11.8万世帯/135兆円

富裕層(1億円以上5億円未満)

  • 153.5万世帯/334兆円

準富裕層(5000万円以上1億円未満)

  • 403.9万世帯/333兆円

アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)

  • 576.5万世帯/282兆円

マス層(3000万円未満)

  • 4424.7万世帯/711兆円

1.3 日本に「準富裕層」純金融資産5000万円以上の世帯は何世帯いる?

富裕層の仲間入り直前の純金融資産保有額が5000万円超の世帯である「準富裕層」は403万9000世帯です。

アッパーマス層から超富裕層までは合計で1145万7000世帯。全世帯から見るとやはり「マス層」の世帯が大部分を占めていることがわかります。

少数派の富裕層ですが、どのような特徴があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

次章では、元証券会社の富裕層担当社員であった筆者が見てきた「富裕層の資産運用の特徴」を3つご紹介します。

2. 「富裕層の資産運用」特徴1:保有している資産のバランスを確認する

保有している資産のバランスを確認する3/5

保有している資産のバランスを確認する

Ivan-balvan/istockphoto.com

富裕層の方の多くは資産運用を検討する際に、まずは「保有している資産のバランス」を確認します。

なぜなら、資産運用を行ううえで、バランスが重要となるからです。

保有している資産のバランスを把握したうえで、分散投資をする傾向にあります。

金融商品や不動産など、投資先の種類によって価格が変動するタイミングや、リスクとリターンの度合いなどが異なります。

同じような投資先ばかり保有していると、価格が上昇しているときは資産が増加するメリットが得られますが、価格が下がると資産が大きく減ってしまうリスクが伴います。

そのため、富裕層の方は、値動きの傾向や特徴が異なる資産にそれぞれ分散して投資をするよう心掛けています。

3. 「富裕層の資産運用」特徴2:自分や家族のリスク許容度を把握する

自分や家族のリスク許容度を把握する4/5

自分や家族のリスク許容度を把握する

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資産運用を行うことで利益が期待できますが、価格変動リスクが伴います。

そのため、富裕層の方は、ご自身やご家族のリスク許容度を把握する傾向にあります。

保有している資産の状況や収入、家計の状態などに応じてそれぞれリスク許容度が異なります。

リスク許容度を把握しておくと、価格変動に伴い、投資先の価格が下がったときに「チャンス」と捉えるか「売却するタイミング」だと決断するのか、各家庭に合った投資の判断がしやすくなります。

4. 「富裕層の資産運用」特徴3:手数料がどれくらいかかるのか調べる

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手数料がどれくらいかかるのか調べる

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資産運用を検討する際、多くの方は「手数料」について見落としがちです。

投資先によって、それぞれ手数料が異なるため、比較したうえで検討することが大切です。

富裕層の方は「コスト」を意識しながら生活している方が多いです。

なぜなら、資産運用で利益を得たとしても手数料の負担が大きいと手取り額が少なくなってしまうからです。

できるだけ手取り額を多くするために、富裕層の方は「手数料」に着目し、コストを抑えながら長期的な資産運用に取り組む傾向にあります。

5. まとめにかえて

今回は、株式会社野村総合研究所の調査結果をもとに、日本にどれくらい富裕層や超富裕層がいるのか見ていきました。

物価が高騰しているこのご時世においても、日本では富裕層が増加していることがわかりました。

富裕層の資産運用の特徴として「保有している資産のバランスを確認する」「自分や家族のリスク許容度を把握する」「手数料がどれくらいかかるのか調べる」傾向にあります。

富裕層は、お金を稼いだり使ったりするだけでなく、「増やすこと」を目的に資産運用に取り組んでいる方が多いです。

しかし、資産運用には価格変動リスクが伴います。利益が期待できるだけではない、ということを理解しておくことが大切です。

将来に向けて資産運用に取り組みたいと考えている方は、今回ご紹介した「富裕層の資産運用の特徴」をぜひ参考にしてください。

参考資料