2. シニアの生活費はなぜ赤字?

シニアの生活費が赤字となっている理由は、物価や社会保険料の上昇が考えられるでしょう。

2025年1月の消費者物価指数(総合指数)は、2020年を100として111.2となっています。前年同月比で4.0%上昇しており、食料品やエネルギーの価格に影響を与えています。

食品だけで見ると、指数は2020年を100として124.7です。とくに生鮮食品は145.7と大幅に上昇しており、私たちの生活に大きな影響をおよぼしています。

また、光熱・水道は2020年を100として119.3です。こちらは前年同月比で11.4%上昇となっており、昨年に比べると大幅に価格が上がっていることがわかります。

エネルギー価格は国際情勢の影響を受けやすいため、今後も大きな動きがある可能性が高いでしょう。

社会保険料についても、給付額の増加などから負担が増えています。たとえば、介護保険料の基準額は、ここ10年程度で増え続けています。

  • 2012〜2014年:4972円
  • 2015〜2017年:5514円
  • 2018〜2020年:5869円
  • 2021〜2023年:6014円
  • 2024〜2026年:6225円

介護保険料は年金生活になっても支払い続けるものです。老後は現役時代よりも収入が減るため、金額が増えれば、負担はより重く感じるでしょう。

シニアの生活費を黒字とするには、年金受給額の増加や十分な資産の備えが必須といえるでしょう。次章では、シニア世代の年金受給額や資産額を解説します。