4月は年金支給月です。年金の支給を心待ちにしているシニアも多いことでしょう。
本記事では、公的年金制度の仕組みをおさらいしつつ、60~89歳までの厚生年金・国民年金の平均受給額を最新データに基づいてご紹介します。
年金制度や受給額の実情を正しく理解し、老後の収支を見据えた計画を立てていきましょう。
1. 公的年金制度の仕組みをおさらい
日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する「国民年金」と、会社員や公務員の方が加入する「厚生年金」の2階建て構造になっています。
会社員や公務員は、これら2つの年金制度に加入するため、将来的に国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。
また、公的年金に上乗せする形で任意加入できるのが、企業年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった私的年金です。
2. 【2025年度最新】厚生年金と国民年金の年金額例
厚生労働省は2025年度の年金額改定を発表し、2024年度と比べて1.9%の引き上げが決定しました。
上記の年金額は、男性の平均的な収入で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
収入や加入期間によって受け取れる年金額が変わる点には注意しましょう。
なお、将来の年金の給付水準を維持するための「マクロ経済スライド」の適用により、引き上げ率は賃金の伸びよりも0.4%低く抑えられています。
そのため、名目上は増額されるものの、実質的には目減りする可能性があります。