2. 国民の平均所得額は減っている一方で「日本で富裕層は増えている」って本当?
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、2002年の平均所得は602万円、中央値は485万円でした。
一方で、2023年のデータでは平均所得が524万4000円、中央値は405万円と、いずれも大きく下がっています。
過去約20年間で家計の所得水準が下がっており、経済環境の変化が家計に影響を与えていることがうかがえます。
このように、日本全体の所得は伸び悩んでいるにもかかわらず、下記に示すように富裕層の資産は着実に増加しているのが現状です。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」(2025年2月13日)
2.1 「富裕層」と「超富裕層」世帯が保有する資産総額の推移を確認
- 2015年:121万7000世帯・272兆円(+20.9%・+12.9%)
- 2017年:126万7000世帯・299兆円(+4.1%・+9.9%)
- 2019年:132万7000世帯・333兆円(+4.7%・+11.4%)
- 2021年:148万5000世帯・364兆円(+11.9%・+9.3%)
- 2023年:165万3000世帯・469兆円(+11.3%・+28.8%)
次章では、いったい富裕層は何にお金を使っているのか、調査データをもとに確認していきましょう。