3月21日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)2月分」によると、2020年2月の物価指数を100としたときに、2025年2月の物価指数は110.8を記録。

この5年で総合的な物価が約10%も上昇したことになります。

老後に向けて資産形成を進めていた人は、物価上昇を踏まえて目標額の見直しなどを行う必要があるでしょう。

現代のシニア世代は貯蓄をどれくらい保有しているのでしょうか。

本記事では「60歳代」と「70歳代」のうち貯蓄が3000万円を超える世帯がどれくらいいるのか、貯蓄額の平均値や中央値も確認していきたいと思います。

1. 【60歳代・二人以上世帯】「貯蓄額3000万円」以上保有している世帯は何%?

J-FREC 金融経済教育推進機構が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」を参考に、60歳代・二人以上世帯の貯蓄(金融資産を保有していない世帯を含む)を確認していきましょう。

貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

1.1 60歳代の二人以上世帯:金融資産保有額一覧をチェック

60歳代の貯蓄額を見てみると、平均は「2033万円」である一方、より実態に近い値である中央値は「650万円」となっています。  

  • 金融資産非保有:20.5%
  • 100万円未満:6.5%
  • 100~200万円未満: 5.3%
  • 200~300万円未満: 3.7%
  • 300~400万円未満:3.1%
  • 400~500万円未満:3.1%
  • 500~700万円未満:6.3%
  • 700~1000万円未満:5.3%
  • 1000~1500万円未満:8.9%
  • 1500~2000万円未満:5.8%
  • 2000~3000万円未満:8.0%
  • 3000万円以上:20.0%
  • 無回答:3.6%

60歳代の二人以上世帯において、貯蓄が3000万円以上ある世帯の割合は20.0%となっています。

一方、貯蓄を全く持たない「金融資産非保有」の世帯も20.5%を占めており、この二つの割合はほぼ同じです。

この年代には、すでに退職した人もいれば、まだ働き続けている人もおり、さらに退職金を受け取ったかどうかという違いも存在します。

では、老後生活を本格的に迎えている70歳代の世帯では、どのような貯蓄状況にあるのでしょうか。