4. 人生を楽しむために計画的に取り崩すことも大切

遊興費の予算を月5万円と想定した場合、年間で60万円、10年間で600万円を取り崩せます。

予算を月3万円とした場合、年間で36万円、10年間で360万円と試算できます。

「自由に使ってもよいお金」を事前に把握できれば、資産が減っていく状況を目にしても、パニックにならないでしょう。計画的に取り崩しているのであれば、「老後を楽しむためのお金」として、割り切って使いましょう。

お金を貯め続けて、人生を楽しむ前に亡くなってしまうと、これまで何のために働いてきたのかわかりません

。無駄な固定費の支払いや無価値な消費に関しては見直す必要がありますが、ぜひ「自分の老後人生を楽しむための予算」を意識して、計画的にお金を使ってみてください。

5. まとめにかえて

最新の資料によると、公的年金を月額で20万円以上受け取れる人の割合は16.3%です。

多くの方の厚生年金受給額は10万円台となっており、総務省のデータを見ると、毎月赤字が発生している状況です。

老後生活を安定させるためには、繰下げ受給をして年金額を増やしたり、支出を抑えたりして「基礎生活費≦公的年金収入」の状態を維持することが効果的です。

基礎生活費は公的年金でカバーし、医療費や介護費への備えを別枠で用意しておけば、自由に使えるお金を把握できます。老後生活を楽しむためにも、計画的な取り崩しを行いながら、有意義に活用しましょう。

参考資料

柴田 充輝