現在、住民税非課税世帯を対象に「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円の追加給付」が実施されています。

では、「住民税非課税世帯」とは具体的にどのような世帯を指すのでしょうか。

本記事では、給付金の支給対象者や、過去に実施された高齢者向けの給付について解説します。

さらに、低年金者を対象とする「年金生活者支援給付金制度」の概要や、住民税非課税世帯の年代別割合も見ていきましょう。

1. 「住民税非課税世帯」とは?

住民税には、所得に応じて負担額が決まる「所得割」と、一定の金額を全員が均等に負担する「均等割」の2種類があります。

住民税非課税世帯とは、世帯全員が「所得割・均等割の両方が非課税」もしくは「所得割のみが非課税」である場合です。

1.1 所得割・均等割の両方が非課税

所得割・均等割の両方が非課税となるのは、以下のような方です。

  • 生活保護法による生活扶助を受けている方
  • 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4千円未満)の方
  • 前年中の合計所得金額が区市町村の条例で定める額以下の方

〈東京23区内の場合〉

同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
45万円以下

※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。
※23区外にお住まいの方は、均等割額が非課税となる合計所得金額が異なる場合がありますので、お住まいの市町村にお問合せください。

1.2 所得割のみが非課税の世帯

所得割のみが非課税となるのは、前年中の総所得金額等が下記の金額以下の方です。

同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+42万円以下

同一生計配偶者又は扶養親族がいない場合
45万円以下

※扶養親族は、年齢16歳未満の者及び地方税法第314条の2第1項第11号に規定する控除対象扶養親族に限ります。

2. 過去には「高齢者向け」の給付金が支給されたことも

近年の物価高を受け、住民税非課税世帯等への現金給付が行われていますが、実は過去にもさまざまな給付金が支給されてきました。

その一例が「平成27年度簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」です。

この措置では、住民税非課税世帯を対象に、1人あたり6000円の給付が行われました。

さらに、同世帯を対象に、「高齢者向け給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)」として1人につき3万円が支給されたこともあります。

高齢者向け給付金の支給要件(現在は終了)1/3

高齢者向け給付金の支給要件

出所:厚生労働省「高齢者向け給付金のお知らせ」

また、2019年からは「年金生活者支援給付金制度」も開始され、低所得の年金受給者を対象とした支援が継続的に行われています。

3. 「年金生活者支援給付金制度」とは?

年金生活者支援給付金制度は、公的年金等の収入が一定水準以下の方を対象に、給付金を上乗せ支給する制度です。

年金生活者支援給付金を受け取れるのは、以下の支給要件を満たす方です。

年金生活者支援給付金の支給要件2/3

年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

次に、障害年金生活者支援給付金の支給要件もチェックしていきましょう。

3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件

  • 障害基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下

※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。

このように、年金生活者支援給付金を受け取るには所得制限が設けられています。

老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、公的年金等の収入が88万9300円以下もしくは88万7700円以下とされているので、月額にすると約7万4000円以下の場合は給付を受けられる可能性があります。

4. 【年代別一覧表】住民税非課税世帯の割合

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、住民税非課税世帯の割合を見てみましょう。

住民税非課税世帯の年代別割合3/3

住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:12.0%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.6%
  • 60歳代:21.7%
  • 70歳代:35.9%
  • 80歳代:52.5%

住民税非課税世帯の多くは、年金を受給している「高齢者世帯」です。

その理由として、現役時代に比べて収入が減少することや、年金受給世帯に対する住民税の非課税基準が緩和されていることなどが挙げられます。

5. まとめにかえて

今回は、現在実施されている住民税非課税世帯向けの給付金について解説しました。

住民税非課税世帯の多くは、年金を受給する「高齢者世帯」です。

過去には高齢者向けの臨時給付金が支給された事例もあり、2019年からは低年金者向けの「年金生活者支援給付金制度」も導入されています。

物価高によって家計の負担が増えている今だからこそ、こうした支援策の動向を注視し、活用していきましょう。

参考資料

加藤 聖人