4. 故人の預金を勝手に引き出すと相続トラブルにつながる懸念
銀行側は預金者が死亡した事実を把握しない限り、口座凍結を実施しません。
しかし、だからといって亡くなった後に相続人が自由に引き出しを行うのはあまりおすすめできません。相続手続きを行う際に、他の相続人とトラブルになってしまう可能性があるためです。
「我が家に限ってそんなことはない」と思うかもしれませんが、遺産分割に関するトラブルは決して珍しいものではありません。
実際に最高裁判所の資料によると、2023年における遺産分割トラブルは年間約1万4000件にものぼります。
厚生労働省の調べによると2023年に亡くなった人は約157万6000人ですので、単純に考えると被相続人100人に対して1件の割合で遺産分割トラブルが起きている状況です。
つまり、遺産分割に関するトラブルは誰にでも起こり得る身近なものだといえます。