もうすぐ新年度ということもあり、環境がガラリと変わることもあるでしょう。
これまで慣れ親しんでいた地域から外に出ると、「実は全国共通語じゃなかった」と気づく方言もしばしばあります。
例えば、ホーチキ株式会社が2025年3月4日に公表した調査結果によると、”避難合言葉”も全国で違うことが明らかになりました。
関東圏では「おかしも(押さない・駆けない・しゃべらない・戻らない)」、中部地方では「おはし(押さない・走らない・しゃべらない)」、西日本では「おはしも(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない)」が優勢とのことです。
今回は上京しても方言を使うことが多いとされる「関西弁」にフォーカスをあて、「実は全国共通語じゃない」言葉についてご紹介します。
※関西と言っても対象地域が広いため、すべてにあてはまるわけではありません。また、関西以外でも西日本や九州などで広く使われる言葉も含まれます。
※諸説あります。
【関西弁あるある】実は「全国共通語ではない」店の呼び方
まずは有名どころでもある、「店名」の違いを見ていきましょう。
マクド
言わずと知れたマクドナルドの呼び方です。「マック」と略されることの多いマクドナルドですが、やはり関西人は「マクド」と呼びます。
でも「朝マック」と言えるのは不思議ポイントですね。
ユニバ
関西ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンのことを「ユニバ」と略すことが多いです。
共通語では「USJ」が多い印象でしたが、最近では「ユニバ」と略されることも増えてきたようです。それでも、関東と関西では「ユニバ」のイントネーションは異なります。
セブイレ
全国では「セブン」と略すことの多い「セブンイレブン」ですが、関西では「セブイレ」と呼ばれることが多いです。
ちなみに「ファミリーマート」は全国的に「ファミマ」ですが、イントネーションが異なります。関西では「ミ」にアクセントをおいて高くなるイメージですが、関東では3音とも同じ高さになります。
【関西弁あるある】実は「全国共通語ではない」食べ物の呼び方
続いて、食べ物の呼び方の違いも見ていきましょう。
かしわ
「鶏肉」のことを、かしわと呼ぶ地域もあります。関西には看板に「かしわ」と掲げている店も多いですね。
また地域によっては、鶏肉の中でも上等の部位だけを「かしわ」と呼ぶことがあるようです。
かやくごはん
これはかやくごはん?炊き込みご飯?1/5
sasazawa/shutterstock.com
かやくごはん(かやくめし)とは、炊き込みご飯のことです。混ぜご飯や五目ごはんの意味が含まれることもあります。
「かやくごはん」の意味そのものは知っていても、話すときは「炊き込みご飯」を使うという方も多いかもしれませんね。
おかいさん
関西では「お粥」のことを「おかいさん」と呼ぶことがあります。食べ物や店名に「さん」をつけるのは関西独特の文化なのかもしれません。
一部では「御所ことば」が影響しているという説もあるようですが、「さん」をつける言葉、つけない言葉の違いは関西ネイティブでもうまく説明できません。
関西人の中には「おまめさん(豆)」「おいもさん(芋)」「おいなりさん(いなり寿司、稲荷神社)」「お揚げさん(油揚げ)」「えべっさん(恵比寿神社)」など、さんをつける人も多いでしょう。
しかし、雑炊では「雑炊さん」と言わないのが不思議ですね。
でっちようかん
丁稚ようかん2/5
画像出典:農林水産省「丁稚ようかん 大阪府」
ようかんと言えば「でっちようかん」を思い浮かべる関西人も多いのでは。農林水産省によると、でっちようかんは北摂地域が中心となって伝承されているようです。
寒天とこしあんで作られたでっちようかんは、甘さ控えめでおいしいですよね。しかし、関東ではあまり馴染みがないようです。
菊菜
春菊のことを、関西圏では「菊菜(きくな)」と呼びます。
関西ですき焼きを作るなら、菊菜は外せません。すきやきと言えば、関東では割り下を使うので、このあたりも関西との違いの一つですね。
【関西弁あるある】実は「全国共通語ではない」身体の呼び方
続いて身体の状態を指す言葉について、実は関西弁である表現を見ていきましょう。
さぶいぼ
鳥肌のことを関西人は「さぶいぼ」と言います。
寒い時にも感動したときにも、鳥肌と同じニュアンスで「さぶいぼたった!」と言いますよね。
めばちこ
「ものもらい」のことを、関西では「めばちこ」と言います。
地域によっては「目イボ」と表現するところもありますね。
みぃいる
漢字で「身ぃ入る」と表現する言葉で、「みぃはいる」と言うこともあります。
これはいわゆる「筋肉痛」のことで、運動した翌日などに用います。
関西を中心に他の地域でも日常的に使われるところがありますが、言葉自体を知らないという方も多いのではないでしょうか。
蚊に噛まれる
蚊に刺されることを、関西や西日本では「蚊に噛まれる」と言います。
実際には噛まれていないのですが、関西の表現は面白いですね。
【関西弁あるある】実は「全国共通語ではない」物の呼び方
最後に、物の呼び方の違いを見ていきましょう。
シャベルとスコップ
これはシャベル?スコップ?3/5
wk1003mike/shutterstock.com
「スコップ」と「シャベル」は、関西と関東で形や大きさが異なります。
関西では小さいものを「スコップ」、大きいものを「シャベル」と言いますが、関東では逆のものを指すのが一般的です。
製品の基準を定めるJIS規格では、砂をすくう部分に足を掛けられないものを「スコップ」、足を掛けられるものを「シャベル」と定義しています。
自転車のコマ
自転車のコマも関西弁?4/5
Sergiy Kuzmin/shutterstock.com
関西では、子どもが乗る自転車の補助輪を「コマ」ということがあります。
なかには補助輪ありを「コマあり」、補助輪なしを「コマなし」などと、状態によって使い分けることも。
コマと聞くと、全国的にはおもちゃの「駒」を連想する人が多いでしょう。
関西でもおもちゃの「コマ」はありますが、使い分けているイメージです。
カッターシャツ
カッターシャツも関西弁?5/5
Tatsuo Nakamura/shutterstock.com
関西では「ワイシャツ」のことを、「カッターシャツ」と呼ぶことがあります。
一説によると、大阪に本社を置くミズノが「カッターシャツ」という名前で商品を販売したことが始まりとされています。
単に「カッター」と言うこともあるので、関西以外では「カッターナイフ」を連想されてしまい、うまく噛み合わないということもありました。
ナイロン袋
共通語で言う「レジ袋」「ビニール袋」は、関西弁で「ナイロン袋」と言います。
関西だけでなく、西日本や東海・北陸など広範囲で使われているという声もありました。
まとめにかえて
バリバリの関西人が「実は全国共通語じゃない」と知らない言葉は、意外に多いようです。
他にも「レイコー」「モータープール」などがしばしば話題にあがりますが、「上の世代しか使わない」と言われるものも多いです。
時代とともに方言が薄れることは仕方のない側面ですが、それでも地域ごとの違いは雑談のネタとして盛り上がりやすいものです。
関西弁に限らず、全国の方言は奥が深くておもしろいものですね。
参考資料
- 農林水産省「丁稚ようかん 大阪府」
- ホーチキ株式会社「ホーチキが避難合言葉を大調査「全国おはしも調査」 日本3大避難合言葉※が判明!「おはしも」「おかしも」「おはし」あなたは何派?」
- ミズノ「「カッターシャツ」の名付け親は、ミズノ!?」
太田 彩子