3. 50歳以上のねんきん定期便の見方

50歳以上に送付されるねんきん定期便は、50歳未満の方向けのものと同じ内容もありますが、異なる項目もあります。ここでは、異なる項目について解説します。

3.1 おもて面

照会番号や最近の月別状況は、50歳未満の方向けのものと同じです。

【繰下げ受給した場合の受給額】

50歳以上の方に送付されるねんきん定期便には、老齢年金の見込額を70歳までまたは75歳まで繰下げた場合の見込額が記載されています。グラフ表示されているので、視覚的にわかりやすいのが特徴です。

老齢年金は、原則として65歳から受給開始となりますが、66歳から75歳の間に繰下げて受給することも可能です。1ヵ月繰下げるごとに0.7%増額され、増額率は一生涯続きます。

3.2 うら面

うら面も、50歳未満の方に送付されるねんきん定期便と同じ個所があるため、異なる項目について見ていきます。

【老齢年金の種類と見込額(年額)】

現在の年金制度が60歳まで継続し、なおかつ加入条件が変わらないと仮定した場合に、65歳から受給できる見込額が記載されています。

4つの年齢ごとに区切られて見込額が記載されていますが、このうち左の3列は「特別支給の老齢厚生年金」を受給する方が対象です。特別支給の老齢厚生年金の受給対象者は、1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの男性と、1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの女性で、いずれも受給資格を満たす方です。

4. まとめにかえて

毎年誕生月には、ねんきん定期便が送付されます。ねんきん定期便には、これまでの保険料の納付記録や、保険料納付実績に基づいた見込額など、将来年金を受け取る際に大切な情報が記載されています。

お手元に届いた際には内容をよく確認し、記入ミスやもれがないかもチェックしましょう。

参考資料

木内 菜穂子