5. 年金額を増やす方法は?
前章まで、年齢別に国民年金と厚生年金の平均年金額を見てきましたが、全体の平均額は次のとおりです。
- 厚生年金保険(第1号)の平均年金月額:14万6429円
- 国民年金の平均年金月額:5万7584円
厚生年金と国民年金では受け取る額に大きな差があります。とくに国民年金のみに加入してきた方の場合、受け取れる額は満額でも7万円弱程度です。
また、厚生年金に加入していても現役時代の給料が低い方は年金が少ない可能性があります。単身世帯の方は、受け取る年金額は一人分ですから、上記の年金額で生計を立てなくてはならない方もいるでしょう。
世帯によって生活に必要な金額は異なりますが、シニアが収入を得る手段は限られるので、もし老後の生活費が足りないと感じたら、今のうちに老後のお金を増やすための方法を考えておくことをおすすめします。
「年金を増やす」「貯蓄を増やす」には、次の方法があります。
- 年金の繰下げ受給
- 年金の任意加入
- 国民年金基金
- 付加年金
- NISAとiDeCoを活用した資産運用
- 可能な限り、長く働く
国民年金加入者と厚生年金加入者では、上記の制度のなかでも利用できる制度が異なりますが、国民年金加入者は、基礎年金額が少ない分、その不足分を補うための制度が厚生年金加入者よりも充実しています。
とくに付加年金は毎月400円の負担で、年金額を増やすことができる制度なので、ぜひ加入を検討してみましょう。
高年齢の雇用を促進する制度も増えているので、長く働きたい方は可能な限り働いて、厚生年金保険料を支払い、繰り下げ受給を検討するのもひとつの方法です。
6. 年金額が少ない方は早めの対策を!
本記事では、シニアが受け取る平均年金額を年齢別に見てきました。
将来受け取れる年金が少ないことから、国民年金の被保険者が注目されがちですが、単身世帯の増加により、世帯単位の年金収入の少なさも、新たな社会問題としてクローズアップされています。
とくに女性の場合、厚生年金を受け取っても男性よりも年金額が低い場合もあり、女性単身世帯の貧困の増加が懸念されています。
将来もらえる年金は、ねんきん定期便などで確認できます。もしも足らないと感じるようであれば、将来のための資産形成に早めに着手することをおすすめします。