現在の日本では少子高齢化が進み、何歳まで働くのだろうと疑問に感じる方が増えています。
そのため、今まで65歳以降は老後として年金暮らしをイメージすることが大半でしたが、今の働き世代は65歳以降も収入を得続ける方が増えるでしょう。
ただし、一定の収入を超えると年金が減額される「在職老齢年金制度」の存在があります。
本記事では、2025年度における最新の在職老齢年金制度の支給停止調整額について紹介します。在職老齢年金制度の概要についても説明しているので、あわせて参考にしてください。
1. 「在職老齢年金制度」とは?働きすぎると年金が減額されるって本当?
在職老齢年金制度は、年金を受け取りながら厚生年金に加入して就労している場合に、一定の基準を超えると年金の支給が一部または全額停止される仕組みです。
この制度における支給停止の判定基準は、就労による収入と受け取っている年金額の合計で判断され、その合計額が「支給停止調整額」と呼ばれる上限を上回るかどうかで決まります。
年金の調整額は以下の式で算出されます。
在職老齢年金の支給月額(調整後)= 基本月額 −(基本月額 + 総報酬月額相当額 − 支給停止調整額)÷ 2
ここでの「基本月額」は、加給年金を含まない厚生年金の月額部分を意味し、「総報酬月額相当額」は、直近1年間に受け取った賞与を12カ月で割って算出したものです。
なお、2025年1月下旬には、厚生労働省より2025年度の支給停止調整額が正式に公表されています。
1.1 2025年度の「支給停止調整額」はいくらになった?
厚生労働省の「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の支給停止調整額は「51万円」となり、2024年度よりも1万円の引き上げとなりました。
在職老齢年金制度では、働いて得る収入が多くなるにつれて、年金の支給額が減る割合も大きくなっていく仕組みになっています。
では、実際にどの程度の年収から年金の支給が調整され始めるのか、具体的な金額の目安を確認してみましょう。