所得税や住民税、消費税など、私たちの生活にはさまざまな税金が存在します。納税の義務がある私たちは、たとえ負担が重くても適切に納めなければなりません。

そして、現代において税金以上に大きな負担となっているのが社会保険料です。介護保険料も、社会保険料のひとつです。介護保険料は40歳から納め始めますが、65歳になると負担が増えるケースが多く、年金の手取り受給額にも影響をおよぼしています。

65歳以上の介護保険料が高くなる理由はなんでしょうか。この記事では、65歳以上の介護保険料が高くなる理由や高額となっている地域を解説します。

1. 介護保険制度と介護保険料の仕組み

介護保険制度は、社会全体で介護を支えるため、2000年に設立されました。高齢者の増加や核家族化などにより親を介護するための離職が問題となったことも、設立された理由のひとつです。社会全体で介護を支えるため、被保険者から保険料を徴収して制度運用しています。

介護保険料の徴収が始まるのは40歳からです。年齢ごとに区分が分けられており、以下のように定められています。

  • 65歳以上の人:第1号被保険者
  • 40〜64歳の人:第2号被保険者

保険料の徴収方法も第1号被保険者と第2号被保険者で異なります。第1号被保険者は原則年金から天引き、第2号被保険者は健康保険料や国民健康保険料とあわせて徴収されます。

介護保険料は、3年に一度基準額が見直されています。直近の基準額を見てみましょう。

  • 2012〜2014年:4972円
  • 2015〜2017年:5514円
  • 2018〜2020年:5869円
  • 2021〜2023年:6014円
  • 2024〜2026年:6225円

介護保険料の基準額は過去13年のうちに1200円以上増加しており、2025年は6225円となっています。

次章では、第1号被保険者と呼ばれる65歳以上の介護保険料が高い理由を解説します。