2. 公的年金の仕組み

公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金の2種類あります。それぞれ解説していきます。

2.1 国民年金

国民年金とは、日本に住んでいる20歳以上の人すべてが加入する年金制度のことです。加入者は自営業者などの第1号被保険者、会社員や公務員といった第2号被保険者、第2号被保険者の配偶者などが該当する第3号被保険者に分類されます。

保険料は毎月一定で、2024年度は1カ月あたり1万6980円でした。なお、実際に保険料を毎月納付するのは第1号被保険者のみです。第3号被保険者は自分で保険料を納付する必要がなく、第2号被保険者は後述する厚生年金にて保険料を納付します。

続いて、厚生年金の仕組みを確認していきましょう。

2.2 厚生年金

厚生年金とは、第2号被保険者に属する会社員や公務員などが加入する年金制度のことです。国民年金に上乗せする形で加入するので、2階部分の年金保険ともいわれています。

厚生年金の被保険者になるには事業主が手続きを行う必要があるほか、勤務している企業と折半で保険料を支払う仕組みなのが特徴です。また、保険料は賃金に対して定率で計算されるため、一定金額を納付する国民年金と異なり、加入者ごとに納付する保険料に違いがあります。

基本的には賃金が高く加入期間が長いほど、年金受給額も高くなる傾向にあるのがポイントです。なお、前述した国民年金の保険料も含まれているため、国民年金のみ加入している被保険者よりも給付が手厚くなる可能性があります。