2025年2月12日、日本証券業協会が「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)について」を公表しました。
この資料によると、60歳代~70歳代の男性で退職金を活用して投資商品を購入する割合は高くなっています。
手元にあるまとまったお金を運用して老後資金を効率よく準備したい、あるいはインフレにより資産を目減りさせないよう工夫したいと考える方も多いのでしょう。
しかし、退職金などまとまった金額を一気に投資するのはリスクが高いため、どういう資産に投資するか慎重に判断する必要があります。
では何故、このようなリスクを負って投資をしようと考える高齢者は多いのか。
「年金だけで老後の生活をおくるのは不安だから」という方もいるでしょう。
では、本当に老後の生活は年金だけで厳しいのでしょうか?今回は令和シニアがどのくらい年金を受け取っているのか、年金事情の実態について詳しく解説します。
1. 公的年金の仕組みとは
日本の公的年金制度を確認しましょう。
1.1 1階部分:国民年金
- 加入者:日本に住む20歳以上から60歳未満の全ての人が原則加入
- 保険料:全員一律
- 受給:40年間欠かさず納めれば満額
1.2 2階部分:厚生年金
- 加入者:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入
- 保険料:収入に応じて(上限あり)変わる
- 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
日本の年金は国民年金と厚生年金の2階建てです。
国民年金は20歳以上60歳未満のすべての人が原則加入し、保険料は一律です。
一方で厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた保険料を支払うという違いがあります。