【70歳代シニアのマネー事情】貯蓄「3000万円以上」達成している世帯はどのくらい？平均貯蓄額と中央値もグラフでチェック〈厚労省最新データ〉厚生年金と国民年金の平均受給月額を一覧で紹介

老後の資金をどのように工面するのかは多くの方にとって重要な問題です。

将来受け取れる年金額に不安を抱えている人が多い中、老後に向けた資産形成の必要性はますます高まっています。政府も「自助努力」を推奨しており、貯蓄だけでなく投資で資産形成をするよう促しています。

資産形成の重要性が高まる中、現在のシニア世代はどの程度貯蓄しているのでしょうか。

今回は、「貯蓄3000万円以上」の夫婦世帯の割合や、国民年金・厚生年金の平均受給額を見ながら、老後の必要資金について考えていきましょう。

1. 70歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上保有」の割合はどれくらい？

老後の資金は多くの方にとって重要な問題ですね。もちろん70歳からの老後資金として必要な額は、生活水準によって異なりますが、近年は「老後2000万円問題」が話題にもなりました。

ここには、年金だけでは老後の生活費を賄うのが難しいという現実があります。

さらに、年金の受給額や退職金の減少などが理由で、3000万円の貯蓄があっても足りない可能性があるとも言われています。

70歳代・二人以上世帯の貯蓄額円グラフ

※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

J-FLEC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査（2024年）」によると、70歳代・二人以上世帯で貯蓄が3000万円以上あるのは、全体の19.０％に過ぎません。※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。

つまり、3000万円を貯めているのは、約5世帯に1世帯だけ。なお、貯蓄ゼロの世帯も含めた平均貯蓄額は1923万円、中央値にいたっては800万円にとどまっています。

「3000万円」という額は、かなり高いハードルだと言えるでしょう。

次に、シニア世帯の老後を支える公的年金「厚生年金と国民年金」の平均月額も確認していきます。