3. 購買力を維持するための投資を

一般的に、高齢になるほどリスクを取って投資をするのは控えたほうがよい(投資額を減らしたほうがよい)とされています。

しかし、昨今の物価上昇率を鑑みると、購買力を維持するために投資を行う重要性は高まっています。

公的年金はある程度物価上昇に対応できるとはいえ、預貯金はインフレに対応できないためです。

何もしなければ実質的な価値がどんどん減ってしまうため、投資信託や株式への投資を通じて、購買力の維持を目指すことは大切です。リスクの取り過ぎに注意しつつ、保有している資産の中で「どれぐらいの割合を投資信託や株式に充てるか」を考えてみてください。

手間をかけたくないのであれば、全世界の株式を購入できる投資信託を活用すればよく、自分自身で投資先を選定したい場合は株式投資をすればよいでしょう。

株式投資をする場合、銘柄によっては株主優待を受け取ることができ、生活費の節約につながることもあります。

購買力を維持するための投資を

購買力を維持するための投資を

出所:日本証券業協会「株主の権利④株主優待」

NISAを利用すれば、配当を受け取るときや将来売却益を得るときに税金がかからないため、有効活用すべきでしょう。もちろん、投資にはリスクが伴うため、実際に投資をする際には余裕資金で行うことが大切です。

4. まとめにかえて

2025年度の公的年金は増額されますが、増額率以上の物価上昇が起こっています。

支給額が増えたことだけを喜ぶのではなく、生活費が上昇していることにも目を向けましょう。

年金生活に突入したあとでも、購買力を維持するために投資をすることは有意義です。リスクの取り過ぎに注意しつつ、NISAを活用して「物価上昇に対応する」ための投資を検討してみてください。

参考資料

柴田 充輝