手取り月給20万円ではなかなか貯金できない。ただでさえ毎月赤字スレスレなのに、貯金に回す余裕なんてない。そんな声をよく耳にします。しかし、月収は簡単には変えられませんよね。それなのに時間ばかり過ぎていって、「老後の貯金、どうしよう?」と頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、手取り月給20万円で年間100万円貯金を実現したある女性に「貯金のポイント」を教えてもらいました。
まずは収入の支出のバランスを見る
彼女も、「手取り20万円で貯金なんてムリ」と考えていたと言います。早めに結婚して、養ってもらうしか方法がないと思ったとも言う彼女。そんな彼女の目が覚めたのは、友達の離婚がきっかけだったと言います。
「自分よりもかわいくて、それほど仕事もしないまま早く結婚した子が離婚してお金に困っているという話を聞いて、この先何があるかわからないと思った」とのこと。確かに、女性にとっては「結婚が逃げ道」だと思っている人が男女ともに一定数いますが、それはもはや間違い。離婚も多いですし、将来何があるかわかりません。
それがきっかけで、自分の力でお金を貯めておかないとダメだと思ったのだそう。彼女が一念発起してまず始めたのが「収入と支出のバランスを見る」ことでした。当たり前のように思えますが、まずは自分の収支のバランスを知ることがとても大切なのです。
それまでは家計簿もつけず、なんとなく家計のやりくりをしていたという彼女。収支のバランスを見ようと思い立ったときには、「いつ、何に、どのくらいの金額を使っているか見当もつかなかった」と言います。
そこで、まずは1か月やってみようと家計簿をつけ始めました。家計簿といっても簡単なもので、ノートに今日の出費を書き出すだけ。このとき、クレジットカード払いの処理に困った彼女はクレジットカードの利用自体をストップ。デビットカードや口座引き落としの分も書き漏らさないように、毎日ネットバンキングサービスを利用してアプリで入出金履歴を確認していました。
「口座引き落としの額って大きい割に、引き落とされている自覚があまりないのが怖いなと思いました」と言う彼女。こうして、どこでムダが発生しているか徹底的に確認しました。
毎月自動積立預金の設定をする
次に彼女が手を付けたのは、自動積立預金の設定をすることでした。「自分では意志が弱くて、うまく貯金できないと思った」という彼女は、何とか強制的に貯金する方法はないかと考えたそう。
「財形貯蓄も調べて、会社に制度があったのですが、手続きが面倒だし会社の人にバレるのもなんとなく気が引けて、自分で設定できる銀行の自動積立預金にしました」とのこと。確かに、自動積立預金であれば自分で気軽に金額の設定や変更もできますし、会社での手続きもありません。
給料日の次の日に積立日を設定して、毎月2万円は自動積立預金で貯めることにした彼女。それに加え、なんとかもっと貯金するお金を捻出する方法を考えたと言います。
ムダの見直しを徹底する
そこで着手したのは、自動積立預金の金額を増やしても家計が厳しくならないように、ムダを徹底的に洗い出して余裕を作ること。彼女の当時の家計内訳は以下の通りでした。
家賃:6.7万円
水道光熱費:1万円
食費:4万円
交通費:0.5万円
美容費:1.2万円
被服費:1.5万円
通信費:1.2万円
日用品代:1万円
娯楽費:2.5万円
貯金:0円
その他:0.4万円
合計:20万円
こうして見てみると、自分でも「意外と使っているな」と感じる項目が多かったそう。たとえば食費。4万円となると、かなり多い方ではないでしょうか。振り返ってみるとほぼ毎日外食で、一人暮らしのため寂しくて家で食べることはあまりなかったと言います。
家で食事をするときもコンビニで買ったものを食べており、「その生活を続けていると太るし、お金もかかるし、いいことがないと思った」と言います。そこで、「花嫁修業の意味も込めて、ダイエットに効果的なご飯を自分で作ろう」と思い立ち、自炊を始めました。
最初は自炊もうまくいかず、挫折しそうになったこともあったと言いますが、彼女のように現状の問題をプラスに捉えて「行動を変える」ことができるのは素晴らしいことですよね。
さらに、「美容費と被服費にかけるお金も抑える」と、定期便で使っていた通販化粧品をいったん解約。プチプラでも十分効果があるものを、美容部員をやっている友達に聞いたり、会社の人に聞いたりして探したと言います。「肌が元々弱いわけではないので、プチプラで買ってたくさんつけるというほうが合っていたようです」とのこと。
おかげで、定期購入していた8000円分が削減でき、服も「服を借りられるアプリやフリマアプリを活用して安く抑えた」と、5000円ほど浮いたとのこと。
ほかにも、複数契約していた有料動画配信サービスを一本化したり、スマホのプランを見直したり、毎月使うトイレットペーパーや洗剤、洗顔料や歯磨き粉などの日用品は毎月初めにまとめ買いし、「アレ、あったかな?」と余分に買ってしまうのを防いだりと細かな努力をした様子。
こうした結果もあり、節約を始めて4か月目で自動積立預金の額を2万円から3.5万円に切り替えたと言います。
臨時収入やボーナスは全額貯金
それでも、目標としていた100万円にはまだまだ遠いと感じた彼女は、ボーナスや臨時収入はすべて貯金に回しました。年に2回出るボーナスは計60万円ほど。毎月の貯金で38万円、ボーナスや臨時収入で62万円という内訳で年間100万円貯金を無事達成しました。
彼女のスゴいところは、自分が絶対大事にしたいという「娯楽費」を削らずに、なんとかやりくりしたところです。彼女の言う娯楽費は、飲み会や勉強会に積極的に参加して、いろいろな人と会い、仲間を増やしていくことでした。それは絶対に減らしたくないということで、他の部分で徹底的に削ろうと努力していました。
幸い、仕事はほとんど定時で帰れていたため、自炊にトライしたり、服を借りるアプリやフリマアプリを活用したりする時間を取ることができたそうです。しかし、中にはそうではない人もいると思います。自分にできることから始めて、無理はしないようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか。月収が20万円であっても、工夫次第で年間100万円の貯金ができるような気がしませんか? 彼女の場合、ムダ探しをゲーム感覚でやっていたのが印象的でした。「コレもいけそうかも、アレもこうしたらいいかも」とアイデアのままにやってみて、ダメだったらほかの方法で試すというのもいいかもしれません。ぜひ楽しみながら貯金してみてくださいね。
大塚 ちえ