4.2 「国民年金」の平均年金月額をチェック
つづいて、国民年金を見ていきます。
- 〈全体〉平均年金月額：5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額：5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額：5万5777円
平均月額は5万円台で、男女による差はほぼ見られません。
月額階級ごとの分布も見てみましょう。
- 1万円未満：5万8811人
- 1万円以上～2万円未満：24万5852人
- 2万円以上～3万円未満：78万8047人
- 3万円以上～4万円未満：236万5373人
- 4万円以上～5万円未満：431万5062人
- 5万円以上～6万円未満：743万2768人
- 6万円以上～7万円未満：1597万6775人
- 7万円以上～：227万3098人
国民年金は厚生年金ほどの大きな個人差はないといっていいでしょう。
とはいえ、老後の年金収入が1万円と6万円では暮らしぶりが大きく異なります。
保険料の未納がないかなど、ねんきん定期便で記録を確認しておきましょう。
5. 【年金額増額改定】2025年度の年金額は＋1.9％《年金額の例》
年金額は、物価や賃金などの動向を鑑みて年に1度見直しが行われます。
2025年1月24日、厚生労働省は来年度の年金額を1.9％引き上げることを決定しました。厚生労働省が示すモデル年金額は以下のとおり。
5.1 2025年度の年金額の例
- 国民年金（老齢基礎年金（満額））：月額6万9308円（1人分※1）
- 厚生年金：月額23万2784円（夫婦2人分※）
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金（満額１人分）は、月額6万9108円（対前年度比＋1300円）です。
※2男性の平均的な収入（平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円）で40年間就業した場合に受け取り始める年金（老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金（満額））の給付水準です。
国民年金は満額、厚生年金はモデルケースとなります。
厚生年金月額23万2784円のうち、13万8616円は夫婦2人分の国民年金（満額）。
残りの9万4168円は夫の厚生年金です。夫1人分の年金額は16万3476円となります。
もし、夫婦ともに40年間、平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円で会社員として働くと、
16万3476円×2人＝32万6952円
夫婦の年金合計額は月額約33万円になります。現役時代の働き方や収入が年金額に大きく影響することがわかりますね。
6. まとめにかえて
物価上昇が続き、家計のバランスを維持するのも大変な中、老後に向けた資産形成を進めるのは容易ではないでしょう。
しかし、老後が近づいてから、ある程度まとまった老後資金を準備するのは、より困難です。
現役時代の早い段階から、少しずつ資産を積み上げていけると良いですね。
ねんきん定期便をチェックして、年金見込額から逆算すると老後を迎えるまでに必要なおおよその金額がわかります。
目標が定まれば、やるべきことが明確になるでしょう。
