5. まとめにかえて
今回は、日本の公的年金制度の仕組みと、厚生年金・国民年金それぞれの平均年金月額のリアルな現状をご紹介しました。最新のデータからは、厚生年金(国民年金含む)の平均年金月額が約14.6万円である一方、生活の目安とされる月額20万円以上を受給している方はわずか16.3%に過ぎないという厳しい現実が浮き彫りになりました。
この年金制度の構造的な課題と国民の老後資金への不安は、政治の重要なテーマです。先日、初の女性総裁となった高市新総裁は、「多くの不安を希望に変える」と決意を述べられていますが、新体制のもとでの具体的な年金改革、生活支援政策など今後の動きに注目が集まります。
しかし、年金だけで老後の生活全てを賄うのは難しい時代になってきました。この不安を解消し、希望に変える鍵は「自分事」として年金と向き合うことにあります。まずはご自身の年金記録を確認し、不足する部分を貯蓄や資産運用でどう補うか、今から具体的なプランを立てはじめることが大切です。
参考資料
- 自民党「お知らせ 高市早苗新総裁を選出 初の女性総裁が党再建への重責担う」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
菅原 美優