住民税非課税世帯への3万円の給付金の支給準備が、着々と進められています。すでに支給案内を受け取った人もいるのではないでしょうか。
対象世帯のなかには年金世帯も多く含まれています。支給前に手続きが必要な場合は、忘れずに済ませましょう。
どの世代も物価高の影響を受けていますが、なかでも老齢年金を受給していて所得の少ない世帯は、日々苦しい家計状況でしょう。
こうした世帯に対しては「老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。支給額は年金額の改定とともに毎年変化しており、1月24日には次年度の支給額が公表されました。
この記事では、老齢年金生活者支援給付金の次年度の支給額について、概要や申請方法を交えながら解説します。
1. 老齢年金生活者支援給付金の概要
老齢年金生活者支援給付金は、所得が一定額以下の人に対して支給されるお金です。支給要件は以下のとおりです。
【写真全4枚中1枚目】老齢年金生活者支援給付金の給付要件。2枚目では老齢年金生活者支援給付金の給付基準額を確認する1/4
出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をもとに筆者作成
1.1 【2024年度】給付要件
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 世帯全員が市町村民税非課税である。
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は78万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は78万7700円以下(※2)である。
※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
※2昭和31年4月2日以後生まれで78万9300円超〜88万9300円以下である人や昭和31年4月1日以前生まれで78万7700円超〜88万7700円以下である人には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
住民税非課税世帯で老齢基礎年金を受給する65歳以上の人で、所得が要件の金額以下であれば支給されます。たとえば、老齢基礎年金のみ支給されている人の場合は、支給額が約6万5000円以下であれば給付の対象です。
1.2 【2024年度】支給金額(基準額)
今年度の支給金額は、以下のとおりです。
以下の計算式で算出した金額の合計額
- 保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月
基準額は5310円となっています。免除期間に基づく金額は、毎年の年金改定に応じて変動し、今年度は1万1333円です。
支給される金額は、基準額に対して保険料を納めた期間や免除を受けた期間を掛け、その数字をそれぞれ被保険者月数である480で割った数字の合計です。
たとえば、420月は保険料を納付し、60月は免除されていた場合、金額は以下のようになります。
- 5310円 × 420月 / 被保険者月数480月≒4646円
- 1万1333円 × 60月/ 被保険者月数480月≒1417円
- 4646円+1417円=6063円
※端数は四捨五入する。
合計で6063円の給付金が、年金額に上乗せされます。年間で約7万円が上乗せされる形です。
次章では、2025年度の老齢年金生活者支援給付金の給付額について解説します。
2. 2025年度の給付基準額は140円の増加
2025年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は、以下のとおりです。
- 2024年度老齢年金生活者支援給付金基準額:5310円
- 2025年度老齢年金生活者支援給付金基準額:5450円(前年度+140円)
基準額は今年度から140円増額しています。割合にすると、2.7%の増額です。
増額の根拠となるのは、物価変動率です。年金生活者支援給付金の支給に関する法律第4条第2項で、以下のとおり定められています。
「給付基準額については、総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数(以下この項において「物価指数」という。)がこの法律の施行の日の属する年の前年(この項の規定による給付基準額の改定の措置が講じられたときは、直近の当該措置が講じられた年の前年)の物価指数を超え、又は下回るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年の四月以降の給付基準額を改定する。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
2024年の消費者物価指数の平均は2.7%でした。よって、老齢年金生活者支援給付金も2.7%増額しています。
なお、公表されているのはあくまで基準額です。実際の支給額は、前述のように保険料納付期間や免除期間によって変わります。また、免除期間における給付基準額は、今後正式に金額が改定されてから公表される見込みです。
次章では、老齢年金生活者支援給付金の申請方法について解説します。
3. 老齢年金生活者支援給付金の申請方法
老齢年金生活者支援給付金は、これから新しく年金を受け取る人と、すでに年金を受け取っている人とで申請方法が異なります。申請方法は、以下のとおりです。
老齢年金生活者支援給付金の申請方法4/4
出所:日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」、日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」をもとに筆者作成
3.1 新規に年金を受給する人
- 65歳になる3カ月前に、日本年金機構からの老齢基礎年金の新規裁定手続きの案内に「年金生活者支援給付金の請求書」が同封されて送られてくる
- 両方の書類の必要事項を記入する
- 受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と一緒に年金事務所へ提出する
3.2 すでに年金を受給している人
- 日本年金機構から、はがきの年金生活者支援給付金請求書が届く
- 書類の太枠内を記入する
- 切手を貼ってポストに投函する
新規に年金を受給する人は、対象となる人にのみ、老齢基礎年金の請求書が入った封筒に請求書が同封されています。
請求書は、65歳になる3ヶ月前に送付されています。それぞれの書類の必要事項を記入して、年金事務所へ提出しましょう。
すでに年金を受給している人は、はがきの請求書が届きます。はがきは、毎年9月の第1週から対象となる人に向けて送られています。はがきの太枠を記入し、ポストへ投函してください。
請求書自体を日本年金機構が送ってくれるため、こちらで何か用意する必要はありません。書類を記載して、確実に年金事務所への提出やポストへの投函を済ませましょう。
4. まとめ
老齢年金生活者支援給付金は、前年度から2.7%の増額となりました。現在も物価は上昇を続けている状況ですので、次年度だけでなく2026年度移行も引き上げられる可能性があるでしょう。
また、年金生活者支援給付金を受け取れる世帯は、住民税非課税世帯です。住民税が非課税の場合、3万円の給付金のほかにも社会保険料の軽減や医療・介護費用の優遇措置が受けられます。
年金とは別に貯蓄や資産があるならそれらも活用しつつ、家計のやりくりに努めましょう。

