2025年1月24日、総務省が「令和6年平均の全国消費者物価指数」を公表。
それを受け、厚生労働省は2025年度の年金額を前年度比1.9%増とする改定を発表しました。
この改定が反映される初回の年金支給日は2025年6月13日(金)。年金受給者にとっては少しうれしいニュースかもしれませんね。
今回は「年金一覧表」をもとに、60歳~89歳の厚生年金と国民年金の平均月額を詳しく紹介していきます。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みを簡単におさらい
まずは、日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」を参考に、国民年金と厚生年金の仕組みをおさらいしていきます。
公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があり、日本の年金制度は「2階建て」の構造になっています。
1.1 国民年金(1階部分)の概要をおさらい
国民年金の加入対象は、基本的に日本国内に居住する20歳から60歳までのすべての人が該当します。
保険料は全員一律で設定されており、毎年度見直しが行われます。
老後に受け取る年金額は、40年間にわたり保険料を納めた場合に満額となります。
1.2 厚生年金(2階部分)の概要をおさらい
厚生年金の加入対象は、会社員や公務員のほか、一定の条件を満たしたパート・アルバイトの方も含まれます。(※国民年金に上乗せする形で加入)
保険料は給与や賞与の額に応じて決まりますが、上限が設けられています。
老後に受け取る年金額は、加入期間や支払った保険料の総額によって異なるため、個人差が大きくなります。
1.3 国民年金保険料を「自分でおさめる」必要がある人とは?
国民年金保険料を自ら納める必要があるのは、以下に該当する方です。
- 自営業者(第1号被保険者)
- 農業や漁業に従事している方(第1号被保険者)
- 第1号被保険者に扶養されている配偶者
- 厚生年金に加入している65歳以上の方に扶養されている配偶者
一方で、以下の条件に該当する方は「第2号被保険者」または「第3号被保険者」となり、国民年金の保険料を自身で直接納める必要はありません。
これは、厚生年金保険や共済組合が「第2号被保険者」に代わって、国民年金の負担を行っているためです。
- 会社などに勤めていて、厚生年金保険や共済組合に加入している方(第2号被保険者)
- 厚生年金や共済組合に加入している方に扶養されている配偶者(第3号被保険者)
厚生年金の受給額は、現役時代の雇用形態や収入、加入期間によって個人差があります。
次章では、60歳から89歳までのシニア世代が受け取っている「年金の平均月額」について詳しく見ていきましょう。