金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によると、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
日本もインフレが続き、物価の上昇は今後も続くと予想されています。
将来受給できる年金額は現役時代の働き方や所得によって異なりますが、年金だけで老後生活を送れる人はそう多くはないでしょう。
今回はそんな年金について深掘りをしていくと同時に、老齢年金世代たちの「年金への意識」についても見てみましょう。
1. 公的年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の二階建て構造になっています。
これは、厚生年金が国民年金に上乗せされる形で加入する仕組みによるものです。まずは、これらの基本をおさらいしておきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)
- 加入対象:原則として、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の年金額:保険料納付済月数に応じて決まる(※2)
※1 国民年金保険料(月額):2024年度1万6980円・2025年度1万7510円
※2 全期間(480カ月)納付済の人が受け取る「国民年金(老齢基礎年金)の満額(月額)」:2024年度6万8000円・2025年度6万9308円
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:民間企業や官公庁などに雇用される人(公務員や会社員、一定要件を満たすパート・アルバイトなど)が、国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:収入に応じた保険料を支払う(ただし上限あり)
- 老後の年金額:加入月数とその期間の収入に応じて年金額が決まる
現役時代の働き方や過ごし方により「国民年金のみに加入していた人」と「厚生年金の加入期間がある人」の2つに分かれます。
国民年金と厚生年金の保険料や年金額の計算方法は異なりますので、おのずと老後に受け取る年金額にも個人差が出ます。
厚生労働省の資料によると、2023年度末の平均年金月額は、厚生年金(国民年金部分含む)で14万円台となっています。税金や社会保険料を考慮すると、生活は厳しいと感じる方もいるかもしれません。
夫婦世帯であれば、どちらか一方が月20万円以上の年金を受け取っていれば安心できると感じる人もいるでしょう。
では、実際に20万円以上を受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか?次で詳しく見ていきましょう。