3. 【65歳以上の無職の夫婦】みんな、月の生活費は平均いくらで暮らしている?

総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の無職夫婦世帯の平均的な家計収支を見ていきます。

3.1 【家計収支】65歳以上の夫婦のみの無職世帯(2024年)

収入:25万2818円

■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円

支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

  • 食料:7万6352円
  • 住居:1万6432円
  • 光熱・水道:2万1919円
  • 家具・家事用品:1万2265円
  • 被服及び履物:5590円
  • 保健医療:1万8383円
  • 交通・通信:2万7768円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万5377円
  • その他の消費支出:5万2433円
    • うち諸雑費:2万2125円
    • うち交際費:2万3888円
    • うち仕送り金:1040円

■うち非消費支出:3万356円

  • 直接税:1万1162円
  • 社会保険料:1万9171円

家計収支

  • ひと月の赤字:3万4058円
  • エンゲル係数:29.8%
  • 平均消費性向:115.3%

この夫婦世帯の家計は、総収入25万2818円に対し、総支出が28万6877円と上回っており、毎月3万4058円の赤字が生じています。

収入の約9割を公的年金などの社会保障給付(22万5182円)が占めていますが、可処分所得のすべてを生活費に充てても足りない状況です(平均消費性向115.3%)。

そのため、不足分は貯蓄を取り崩してカバーしているのが実情です。

4. 値上げが増える10月。今こそ節約や貯蓄を

値上げが増えることは厳しいですが、だからこそ家計や貯蓄方法を見直す機会にもなります。

これを機にご自身の生活費について、家計収支はどれくらいかを確認してみましょう。

できるだけ支出を抑えたいところですが、固定費から手を付けると継続的に節約できるため、電気代やガス台、スマホ代などが安くできないか調べてみてください。情報収集の時間はかかりますが、一度変更すれば節約が続くのがうれしいところです。

今保有している貯蓄について、「お金の置き場」を考えるのも一つです。先ほど貯蓄額の内訳をみると、有価証券も保有していました。

現在、NISAやiDeCoなどの制度を活用した運用をする方もいますが、それも準備方法の一つですね。税制面で優遇があり、効率よく運用することができる制度です。

資産運用するとなれば元本割れのリスクが伴いますが、長期・分散・積立投資を実現することで計画的に資産を拡大できる可能性もあります。

理想の老後生活を実現するために、早いタイミングから始めていきたいですね。

参考資料

川勝 隆登