4. まとめにかえて
後期高齢者医療制度の概要や保険料等について見ていきました。
今後も公的医療保険のみならず、社会保障費全体が押し上げられていくことで、国民一人当たりの負担は増えていくことが予想されます。物価高が今後も継続する可能性を考えると、今の現役世帯も老後に向けて何かしらの対策を講じる必要が出てくるかもしれません。
リタイア後の老後の生活で注意しなければいけないのが、医療費・介護費用・生活費の3つの費用の増加です。
どれにも共通して打てる対策としては、現役時代からしっかりと資産形成・資産運用をして対応できるようにしておくことです。
特に物価の上昇を考えると、銀行の預金だけでは物価の上昇から現金価値が減ってしまうため、バランス良く資産運用を取り入れて物価上昇以上にお金を増やしていく必要もありそうです。
医療費と介護費用については、上記とは別の方法として民間の「保険」で備えておく方法もあります。
FPである筆者の元にも老後の不安からのご相談が多いですが、貯蓄・資産運用・保険の3つをバランスよく備えられている方はそう多くありません。できればそれぞれ偏りがないように、一度家計全般の確認と見直しをされてみてはいかがでしょうか。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。
参考資料
小沼 大助
