高齢化社会の進展により、いよいよ2025年は「団塊の世代」全員が75歳以上となる後期高齢者になりました。これは2025年問題とも呼ばれており、後期高齢者の割合も日本人の約5人に1人となります。
医療費の負担増加が課題とされ、今後も引き続き公的な健康保険制度の定期的な見直しや、保険料の改定などが考えられます。
では、原則として75歳以上のすべての人が加入する「後期高齢者医療制度」の保険料は平均でいくらくらいなのでしょうか。
医療費負担割合が2割になる「年収目安」とともに解説します。
1. 後期高齢者医療の保険料は平均で月額7192円
2025年度では、後期高齢者医療の保険料は平均で月額7192円となっています。
- 被保険者均等割額の年額:5万389円
- 被保険者均等割額の月額:4199円
- 所得割率:10.21%
- 平均保険料額の年額:8万6306円
- 平均保険料額の月額:7192円
ただし、実際には都道府県ごとの率や個人の所得によって大きく変わります。
そこで次章では、「年金収入195万円」と「年金収入82万円」を想定して、都道府県ごとの保険料の差を見てみましょう。
2. 後期高齢者医療の保険料を比較
厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」をもとに、まずは厚生年金加入者を想定して「年金収入195万円」の保険料を比較していきます。
2.1 年金収入195万円の保険料
- 全国:5673円
- 北海道:6325円
- 青森県:5415円
- 岩手県:4808円
- 宮城県:5216円
- 秋田県:5042円
- 山形県:5283円
- 福島県:5056円
- 茨城県:5358円
- 栃木県:4991円
- 群馬県:5567円
- 埼玉県:5067円
- 千葉県:5008円
- 東京都:5355円
- 神奈川県:5440円
- 新潟県:4850円
- 富山県:5033円
- 石川県:5573円
- 福井県:5458円
- 山梨県:6003円
- 長野県:5156円
- 岐阜県:5400円
- 静岡県:5275円
- 愛知県:6117円
- 三重県:5475円
- 滋賀県:5371円
- 京都府:6180円
- 大阪府:6495円
- 兵庫県:6134円
- 奈良県:5833円
- 和歌山県:6125円
- 鳥取県:5892円
- 島根県:5618円
- 岡山県:5758円
- 広島県:5438円
- 山口県:6408円
- 徳島県:6033円
- 香川県:5892円
- 愛媛県:5719円
- 高知県:6100円
- 福岡県:6641円
- 佐賀県:6250円
- 長崎県:5792円
- 熊本県:6259円
- 大分県:6509円
- 宮崎県:5675円
- 鹿児島県:6592円
- 沖縄県:6410円
およそ5000~6000円台となっていますが、なかには4000円台のところもあります。
2.2 年金収入82万円の保険料
続いて基礎年金のみの人を想定し、年金収入82万円の人の保険料を都道府県別に比較してみましょう。
- 全国:1260円
- 北海道:1316円
- 青森県:1170円
- 岩手県:1092円
- 宮城県:1183円
- 秋田県:1125円
- 山形県:1190円
- 福島県:1148円
- 茨城県:1183円
- 栃木県:1133円
- 群馬県:1225円
- 埼玉県:1142円
- 千葉県:1092円
- 東京都:1183円
- 神奈川県:1148円
- 新潟県:1100円
- 富山県:1167円
- 石川県:1269円
- 福井県:1242円
- 山梨県:1269円
- 長野県:1109円
- 岐阜県:1233円
- 静岡県:1175円
- 愛知県:1333円
- 三重県:1223円
- 滋賀県:1215円
- 京都府:1409円
- 大阪府:1429円
- 兵庫県:1320円
- 奈良県:1283円
- 和歌山県:1358円
- 鳥取県:1300円
- 島根県:1254円
- 岡山県:1250円
- 広島県:1241円
- 山口県:1425円
- 徳島県:1400円
- 香川県:1350円
- 愛媛県:1298円
- 高知県:1400円
- 福岡県:1500円
- 佐賀県:1425円
- 長崎県:1308円
- 熊本県:1450円
- 大分県:1480円
- 宮崎県:1292円
- 鹿児島県:1492円
- 沖縄県:1410円
いずれも1000円台となっています。
基礎年金のみの場合、所得税や住民税は課税されないことが想定されます。しかし後期高齢者医療制度や介護保険といった社会保険料は支払う必要があるので注意が必要です。
もし年金からの天引きとなる場合は、年額を6回にわけた金額が、年金から天引きされることになります。
3. 後期高齢者医療の一部負担割合が2割という人も
後期高齢者医療制度では、医療費の負担割合が1割になることが一般的です。ただし現役並みの所得がある人は、3割負担となります。
さらに2022年10月には「2割負担」が新設され、現役並み所得に該当しなくても、医療費の負担額が2倍になる人も出てきました。
2割負担の対象者は次の(1)(2)の両方に該当する人です。
3.1 後期高齢者で「2割負担」の対象になる人
- (1)同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上のかたがいるとき。
- (2)同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が、被保険者が世帯に1人の場合は200万円以上、世帯に2人以上の場合は合計320万円以上であるとき。
なお、「3割負担」に該当するのは従来通りです。
3.2 後期高齢者で「3割負担」の対象になる人
- 同じ世帯の被保険者の中に課税所得が145万円以上のかたがいる場合
4. まとめにかえて
後期高齢者医療制度の概要や保険料等について見ていきました。
今後も公的医療保険のみならず、社会保障費全体が押し上げられていくことで、国民一人当たりの負担は増えていくことが予想されます。物価高が今後も継続する可能性を考えると、今の現役世帯も老後に向けて何かしらの対策を講じる必要が出てくるかもしれません。
リタイア後の老後の生活で注意しなければいけないのが、医療費・介護費用・生活費の3つの費用の増加です。
どれにも共通して打てる対策としては、現役時代からしっかりと資産形成・資産運用をして対応できるようにしておくことです。
特に物価の上昇を考えると、銀行の預金だけでは物価の上昇から現金価値が減ってしまうため、バランス良く資産運用を取り入れて物価上昇以上にお金を増やしていく必要もありそうです。
医療費と介護費用については、上記とは別の方法として民間の「保険」で備えておく方法もあります。
FPである筆者の元にも老後の不安からのご相談が多いですが、貯蓄・資産運用・保険の3つをバランスよく備えられている方はそう多くありません。できればそれぞれ偏りがないように、一度家計全般の確認と見直しをされてみてはいかがでしょうか。
5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。


